101匹足利尊氏 さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
小気味良い演出から繰り出される至福のゆるふわ日常空間♪
原作コミックは未読。
言わずと知れた、京アニのヒット作。
今日のガールズバンドの隆盛や、“2.5次元”空間の拡大は、
本作を抜きには語れないと思います。
実際、私も後年、某ガールズバンドの演奏を聴きに
ライブハウスに足を運んだりするなど、
振り返れば『けいおん!』の影響力はかなりのものです。
他の萌え四コマ原作アニメなどを観ていると、
各四コマ間の接続にもたついたのかな?とか、
スタッフまでゆるふわなムードに感染してしまったのかな?といった感じで、
テンポダウンして睡魔に襲われる局面がしばしばあります。
が、『けいおん!』に関してはほぼそれがありません。
むしろ今観ても流れるように話が連続していく様に、感嘆の溜息すら漏れます。
まるでラグビーでパスが次々と繋がって行くような心地よさ♪
音楽に5点を付けました。勿論、主題歌が気に入ったのもあります。
OPはふわふわで楽しく韻を踏み、
作中どんなにお菓子食ってお喋りして、ゆるみ切っても
EDでシャキッ!と背筋を伸ばされます。
それも然る事ながら、歌を入れるタイミング、
カセットテープがカチャリと切り替わるアイキャッチ。
BGMも劇伴として完成度の高い場面描写に貢献。
いちいちハイセンスな音響に唸らされっぱなしです。
その他、作画等も併せて、水面下も含め、
相当カロリー消費量の高い仕事が目まぐるしく展開しているはずですが、
視聴者が体験するのは、あくまでJK女子が織り成す、
お茶とおやつとお喋りによる、ゆるふわな放課後、日常の幸福感♪
まさに“白鳥たちはそう 見えないとこでバタ足するんです”って感じ。
こうした観点などからも、印象に残っているエピソードは第三話。
{netabare}中間テストで追試を食らった唯ちゃんが多彩な時間潰しを繰り返し、
貴重な勉強期間を浪費して、
加速度的に不合格→部活動停止継続の危機へと転落していく描写w
スムーズな場面転換の連続で具現化された妥協の魔力のおぞましさ(笑)
私も身に覚えがあるだけにジワジワ来ます(苦笑){/netabare}
そして、満を持して投入される
萌えキャラ最終兵器・大天使“あずにゃん”のダメ押しの破壊力。
もう幸せ過ぎて昇天してしまいますw
どのキャラも好きですが、私が特にお気に入りなのは澪ちゃん。
ある種の悟りを開いているとしか思えない独特な作詞センスによる
ふわふわな歌詞世界もムズかゆくてサイコーですが、
露骨に怖がりで、恥ずかしがり屋な所もイジりがいがあって可愛いですw
今でも縞模様やご飯茶碗なんかを眺めていると、
恥じらう澪ちゃんの赤面が脳裏に浮かんできますw
それでも本番ではしっかりと決めて来るのがこの軽音部の底力。
手描きで表現されたライブシーンにはグッと来ます。
私は実を言うとアニメのステージシーンは手描きに限る。CGなど邪道。
との主張に割と反対なのですが、
本作の時代に制作された優秀な手描きアニメーションライブの数々に触れていると、
CGを排したいとの考えも理解できるな。という気持ちになります。
ゆるふわソングを熱演する彼女たちの横顔から自然に滴り輝く汗。
それは間違いなく青春の輝きです。