こまたち さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
虚構と現実、永遠より今を。
2006年放送。セカイ系ロボットアニメ。
”現実とはなにか”
虚構の世界でもそれに気づくまではそこだけが現実。だからこそ世界の真実を突然つきつけられたキョウの迷いや葛藤はより鮮明に伝わってきました。あんな世界には私個人としてもずっと居たいとは思わないし、そんなことしたら気が狂ってしまいそうに感じましたね(笑)だからと言ってその虚構の世界に住む家族や友達を”偽物だから”という理由で簡単に割り切って見捨てることもできないですよね。主人公のキョウも何が現実で何が虚構か、自分は何のために戦っているのかを作中を通して考え続けます。きっとその姿には誰もが少しでも共感できるはずです。
「厳しい戦いを乗り越えて手にするのは約60年の命。それを幸せと感じるかはその人次第」
何のために永遠を捨てて有限のなかで生きるか?物語の終盤にはこのテーマが色濃く問われていましたね。それに対するキョウの回答は彼らしくてほっこりしました(笑)花でも命でも散り際は美しいものであるし、終わりがあるからこそいまこのときを一生懸命に生きられる、わたし個人としてはそう思います。
「私の代わりに毎日ピエタにご飯をあげて。忘れたら許さない…」
最も印象に残る回の1コマ。この回は序盤から空気感やセリフ回しが絶妙でしたね。たくさん涙を流しました。あのセリフはずるいよ、リーゼさん…
グラフィックは当時としてはとてもきれいでした。世界観にマッチしたメカデザや武装も気に入っています。音楽もゼーガの独特な世界を表現するような素敵なものが多く印象的でした。
物語に関してはムリヤリ感や難解さは多少あったものの、6話以降からはだんだんと引き込まれていきました。多少癖があるので万人にはオススメできませんが、エヴァやラーゼフォンみたいな作品が好きなかたにはぜひ一度見ていただきたい作品です!