ゼブラ さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
過去に戻れたら…
もし過去に戻れたら…
こういう気持ちって多くの人が結構抱くものなんじゃないでしょうか?
タイムマシンのない僕らの世界はただただ未来に続いていくだけ。あの時の選択による失敗も…今となってはもうどうすることもできませんよね。
でももしこの不可逆的に続いていく時間というものが可逆的なものであったとしたら?
そんな夢を見せてくれるのがこの作品の一つの面白さです。
奇跡とも言える状況で、秋葉の借家の一室でできたタイムマシン。岡部率いるラボメン達はその発明に驚喜し、好奇心の赴くままに実験をしていきます。
しかし物語が進むにつれ、その時間の操るという力が素晴らしい可能性を持つ一方でどれだけ恐ろしいものなのかを実感していくのです…
僕らは時間を操れません(今は?)
時間を操れたらそれこそ何でもできてしまうというというのは物語にある通りです。街だって変えることだってできてしまいます。性別だって変えることができます。人の死すら避けることもできてしまいます。でも物語を見ているとかなり苦労は必要そうですね笑
しかしもし変えられたとして、何度も繰り返すことができるとして、そこで生まれる自分とは一体何なんでしょうか?
オカリンが何度も何度も死んでしまうまゆしぃの姿を見て、そしてクリスにビンタされて絞り出した言葉はとても重たいです…
時間を操作できるということの業の深さを感じます。お金がたくさんあれば嬉しい!ですし愛がたくさんあれば嬉しい!ですが時間を操作できたら嬉しい!ですか…?それによって得られたものは本当に心から嬉しいですか?何でもできる力、それこそお金も愛も全部得られてしまうほどの力ですもの。お金があったら嬉しいですし、愛もたくさんあれば嬉しいのに時間を操作できたら嬉しくない…それほど時間というものに僕らは支配されていて、それを前提の前提として僕らの価値判断は成立している…
まさに神の領域ですね笑
挿入歌スカイクラッドの観測者の歌詞を思い出します。
つまりこの神の領域である「時間」というテーマを扱っているからこそこのシュタインズゲートは多くの評価を得ているのではないでしょうか?
最後にもう一つ面白いなと思った点について書きたいと思います。
オカリン「全部設定だ!そんなことわかってる!」
ループを何度も何度も繰り返し疲弊した時に厨二病発言していたのをいじられた時のオカリンの発言です。設定だったんですね。しかしその設定が作られた背景の話を観て何とも言えない気持ちになりました。嘘とは何でしょうか?本当とは何でしょうか?そんなことはもしかしたらどうでも良いことなのかもしれませんね。まゆしぃを救おうとするオカリンの気持ち、それだけわかって僕はもう満足です。
先程シュタゲの面白さの理由が時間について扱ってるからと言いましたが、もちろんそれだけじゃ成り立たない。オカリンの誰かを救いたいという気持ち。このオカリンの気持ちがあってこそのシュタインズゲートですね!