不如帰 さんの感想・評価
3.0
物語 : 2.5
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
共感度と感情移入度が評価の分かれ道
一見学園モノのように思いますが、その要素こそあってもあくまで舞台の中心は「さくら荘」という点が評価のキーポイントです。
そんな中で寮生同士の心理描写が全体を通して展開されており、その描写や内容によってこのアニメの価値が決まりました。
良かった点は、小さな寮という限られたスケールの中で余すこと無くシナリオをつぎ込んだことです。
これによってキャラクターの持ち味を寮生全員が発揮できる結果に繋がったので、ここはお見事だと思いました。
しかしながら、評価できたのはこの部分のみ。
一方で悪かった点は以下の通り。
・空太にほとんど共感が持てなかった
・卒業式エピソードの後半部分が好みとは大きく外れた展開になってしまったため前半部分の感動が台無しに
・「理不尽な世の中」というキーワードが出てきますが、それに振り回されるばかりの展開に飽きが生じた
個人的に大きく評価を落としたのは非日常の雰囲気と日常の雰囲気のバランスが悪かった部分で、イマイチ方向性が掴めず振り回されたところにありました。
アニメならではの展開が中心となって進むストーリーでしたが、変なところにリアリティを追求したことで感情移入の糸を断ち切られてしまったことが評価落ちに繋がったようです。
また話自体は良かったので演出の方法だとは思いますが、このキャラクター構成ならばシリアスな雰囲気はもう少し抑えてほしかったです。
ただ、学園、恋愛、プロアマの苦悩、などなど、面白い要素は十分出揃っていたのでそのあたりが好きな人には楽しめるアニメだと思います。