饅頭 さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
「考えちゃう」人におすすめ
「静かな世界」とでも言うべきか。一つの映像作品としてかなり勝負にでた一品。登場する人間は主人公たち含め4人だ。そう、それ以外の人間はもういない。生き物さえいない。だから主人公たち以外は生きていない。無機物。そんな終末を迎えつつある世界を二人の少女が目的地もなく旅をするアニメ。基本的に主人公たちしか物語上動いていないので、思考の領域に余裕ができる。余裕があれば考えてしまうのが人間というものだ。西暦何年の世界なのだろう。国は日本なのだろうか。具体的に挙げられるものからよくわからないノイズのようなものまで、あらゆるもので心がざわつく。静かな部屋に入ると物音に敏感になってしまうようなものだ。全く泣き所ではないところで涙腺が緩んでしまうこともあった。悲劇を喜劇で描くことで、余計に視聴者に考えを委ねる形となっている。まるで本を読んでいるようで、合うか合わないかは人それぞれである。なので一話見て合わないと思ったら断念するのがおすすめだ。だがもし魅力を感じたのなら、自分の感性で、自由に世界を見渡して欲しい。それを「面白い」と表現するかは、それもまた人それぞれなのだ。