藤乃 さんの感想・評価
4.3
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
SHIROBAKO
P.A.WORKS制作、水島努監督によるオリジナルテレビアニメ。
アニメ業界で夢を追う5人の若い女性を中心に、作品の完成を目指して奮闘するアニメ業界の日常を描く群像劇。
一見、女子高生がアニメをつくる萌え系作品に見えますが、実際はかなり濃密な作品でした。
◆作画
作画は常に安定しているし、細部まで丁寧さが伺えます。
◆音楽
BGMには特筆することがないですが、「山はりねずみアンデスチャッキー」の主題歌が耳に残って忘れられない!
◆キャラクター
アニメーション会社の制作進行になった宮森あおいが本作の主人公。
特殊技能は必要ないけど全作業を把握し、全スタッフと関わる制作進行の特徴を活かした設定は本当にお見事。
そのおかげで物語中に各現場を違和感なく紹介できたし、群像劇として全体を見渡せる良いポジションでした。
作画・3DCG・演出・脚本・監督・プロデューサー・声優・音響など、アニメ制作に関わる登場人物が盛りだくさん。
最初はどうせ覚えきれないと思っていましたが、覚えられなくても役割とストーリーは分かる作りで安心です。
癖のある個性豊かなキャラクターばかり。それぞれが成長していく様子が描かれているので、愛着が湧きます。
バカで無責任な同僚とちゃらい担当編集者、コミュ障すぎる新人アニメーターにイライラしたのでそこは減点。
◆声優
それぞれのキャラをしっかり表現していたし、コメディからシリアスまで幅広い演技で楽しめました。
◆物語
前半はオリジナルアニメ、後半は漫画原作アニメの制作現場がコミカルに、時にシリアスに描かれています。
脚本・構成が秀逸で毎回見応えあり!起承転結が明快で、緩急のつけ方や伏線の張り方もすごく巧みです。
2クールを上手に使った最終回までの流れはもう完璧。随所に盛り込まれたアニメパロディも楽しめます。
アニメ制作の流れ、プロの仕事とこだわり、現場の苦労など、現実味と臨場感ある描写が素晴らしいです。
スポンサーの思惑や人気作品アニメ化におけるトラブルなど、業界の問題点に自ら切り込んでいく姿勢もすごい!
現場の葛藤をしっかり描きつつ、最後には前向きな着地点にたどり着く現実と虚構のバランスが絶妙で、爽快でした。
アニメ好きは大いに楽しめるエンターテイメント作品です。