DEIMOS さんの感想・評価
2.5
物語 : 1.5
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
見所がないところが見所のアニメらしくないアニメ。
何の変哲もない現代の中学生同士の恋愛を描く。
山場を期待して観続けたが、最後まで山場なく終了。というのも、キャラやストーリーが極めて現実的。「ありそうでない」恋愛への憧れと共感を素直に描いた作品と言えるだろう。
で、一通り恋愛・結婚もして、アニメ以外の媒体も含めて様々な作品を観て来たオッサンの立場から言わせてもらえば、「退屈」の一言に尽きる。
まず、アニメというコストのかかる媒体を使う必要が感じられない。こんな感じの青臭い邦画何回も観たことあるし、小説や漫画で十分。現実世界や実写媒体の視聴では味わえないアニメらしさ、がない。
では、アニメらしさとは何か?
新鮮なキャラ(又は人間関係)の魅力とダイナミックな作画の2点は譲れない。決して、アニメで現実世界を描くべきではないということではない。このタイプの作品でいえば、「true tears」が類似作品となるが、キャラクターの魅力(クセ)があり、ストーリーの起伏と富山という舞台設定がうまく噛み合い、祭というイベントを効果的に活用しながら情景を作り上げていた。対して本作は、陸上部の女子(エスカフローネ、涼風等で観た)と文学少年の男子(悪の華等で観た)という平凡な設定で、川越を舞台にして、祭を登場させながら、全く有効に機能していない。この作品を見ても、「あのシーンのあの場所に行きたい!」とは全く思わない。依然、川越は、仮面ライダーWの聖地でしかない。
逆に、ここまで「狙わない」作品が物珍しくなるほど、アニメが扱うテーマが「一周」してしまったのかもしれない。ただ、本作を面白いと思うような人は、アニメを観ずに別のことに時間を費やした方が幸せになれる人種だろう。