どらむろ さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:----
「まるで将棋だな」なろう系コメディーと割り切れば(中盤までは)結構楽しいです。
小説投稿サイト「小説家になろう」(通称「なろう系」)原作の異世界コメディー全12話です。
お手本のようなテンプレ主人公無双、真面目に期待すると「は?」の連続…
明らかにB級アニメではあるのですが。
私は結構好きです。良きクソアニメだ…!
構成・演出により、コメディーとしてテンポ良いのがポイント高い。
…後半以降は馬脚を現すものの、それまでは頭からっぽにして楽しめるフシギな面白さあり。
「まるで将棋だな」という迷言、嫌いじゃないですw
(好意的な皮を被って結構失礼なレビュー…)
{netabare}『物語』
主人公・望月冬夜(もちづき・とうや)は神様の手違いで異世界転生、神様からご都合なチート能力与えられ、以降無双しまくりモテモテであった。
…は?
ビックリするくらい、特筆する内容が無いです…。
半端に理屈を付けず、全て神様のスマホのチートで済ませる潔さ!
ひたすら、主人公(と読者?)がこの世界をストレスフリーで楽しむ為の装置と見れば、こういうのも嫌いではない。
王様毒殺しようとした悪者ギャフンと言わす以外は、特にストレス要素無し。
女の子たちは程々に可愛らしく、程々にちょろいものの、意外とハーレム物特有の鬱陶しさは少ないのは、案外本作の良さ。
…なんとなく。アニメスタッフの「開き直り・テレ隠し」みたいなものを感じます。
多分、大真面目に作っても駄作不可避だと自覚している。ではどうする?
茶化すしかあるまい。確信犯で楽しい茶番を目指す。
脚本構成により、頻繁にアイキャッチが入るのは「この素晴らしい世界に祝福を!」と似た作り。
「このすば」とは内容の質が比較にならぬのですが(失礼だけど…)
イベント発生→冬夜がチート使う→ストレスフリーであっさり解決
その過程と結果が、コミカルな茶番として笑える感じに仕上がっている。
最強魔法「スリップ」で異世界の強敵(笑)を転ばせて勝つパターン多用、中々笑えます。
(「このすば」の「スティール」に相当?)
一番面白かった3話。
前半パートで将棋盤制作(現代知識無双、なろうのテンプレの一環)
後半パート、魔法で攻めてもコアで吸収し再生される強敵とバトル…
敵のコアを発見した冬夜「僕たちの魔法吸収して再生か、まるで将棋だな」
…は?いやまぁ、その発想は分からぬでもないけれど。
「そうか!王を取れば!」と敵のコアを狙う冬夜
…は??まあ確かに戦術は間違ってませんが。
魔法効かないコアを、見事「魔法で」撃破するのだった。
…は???
このシーン、ヒロイン姉妹の負傷個所や位置関係が怪しかったりなど、他にも随所に「は?」なシーンあり、中々に迷場面であった。
…ちなみに原作に「まるで将棋だな」は無く、アニメオリジナルとの事。
多分、脚本構成の都合で、前半の将棋をムリヤリ関連付けた結果がこの迷シーンであろうか。
1シーン1シーン、セリフや一挙手一投足に「は?」とツッコまずにはおれぬ!
ここ以外では、王様(一番可愛いヒロイン・ユミナ姫の父)とその弟が海水浴ではしゃいだり、王様と冬夜の模擬戦シーン辺りか。
5話のドタバタなダンジョン攻略、10話の水着回あたりが「萌え」的に楽しめました。
…一方で、不快という程ではないものの、些か辟易するのが若干シリアス度の高い9話での安直な無双。
ただ、次の10話が楽しい水着回で持ち直すので、全体構成は(かろうじて)上手い(のかなぁ?)
10話の水着回がピークで、11話12話はイマイチでした。
総じて?
B級ながらテンポ良くコメディーしてたり、安直ながら萌えるシーンは結構良かったです。
「まるで将棋だな」という迷台詞を輩出したのも評価。(聖剣使いのワードブレイクの「思い…出した!綴る!」といい、印象的ネタセリフは良きクソアニメの証)
…この手のB級アニメは、お気楽コメディーから外れると途端に馬脚を露わすのだなぁ…と実感。(次期なろう枠、悪い面が目立つのを見るに)
それでも(B級娯楽作品としては)かろうじて及第点な楽しさはあり。
微妙な回を終盤に纏めつつ、マシな10話を挟む構成で、致命的な馬脚を露わす前に完走しきった印象。
…なんだかんだ言って、2017年で結構楽しかったアニメです。
(ニコニコ動画でのネタ的にも。「は?」)
『作画』
ヒロイン勢の可愛さは中々。私的に巨乳過ぎないのが好み♪
作画クオリティーは良好とは言えず、でも最低限の萌えはあるので過度な期待をしないならば。
バトルはチープながら、そこもネタ的に笑えるのでまぁ良し。
『声優』
主人公・冬夜は福原かつみさんの初主演な模様。
神宮寺桜似の子と銀髪の姉妹役が若干拙い。
イヤホンズの高野麻里佳さんがメインヒロイン・ユミナを好演、ヒロイン勢では一歩上手でした。
他は甲斐田ゆきさんの可愛いトラ、中田譲治さんのはっちゃけぶりもナイス。
井上喜久子さんと、娘の井上ほの花さん母娘が、まさかの姉妹役で出演。
17歳ネタがw
『音楽』
OP「Another World」ED「純情エモーショナル」が結構良い感じ。
良主題歌かは微妙、何となくチープさも感じるけれど、そこ含めて好き。
『キャラ』
主人公の望月冬夜は、たぶん「サイコパス」じゃあるまいか…?
善良ではあるけれど、清々しい程に共感を感じない…。は?
尤も、それは本作を楽しむ上では別に欠点では無いです。
「は?」と思いつつ、お気楽なコメディー見せてくれれば良いわけで。
ヒロイン勢では、金髪12歳のお姫様なユミナちゃんが頭一つ抜けて可愛いです。
テンプレといえばテンプレ、でも強かな正妻の余裕っぷりが萌え。
萌え的に、彼女でかろうじて持っていた感。
この他は、ツンデレな姉と大人しい妹ちゃん、サクラ大戦の神宮寺桜似の少女侍など。
程々に可愛い事は可愛いのですが、印象は微妙でした。
ここら辺は本作の限界かも。(10話がピーク)
最萌は、使い魔の琥珀(かわいい虎)だったり。
ユミナの父王が愉快でコメディーに貢献。
近い時期の「ひなろじ」のリオン父と似てます。{/netabare}