藤乃 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
うさぎドロップ
30歳の独身男が他界した祖父の隠し子(6歳)を引き取って子育てするハートフルドラマ。Production I.G制作。
水彩画のような淡い色遣いの作画がとっても素敵!ほのぼのとした物語によく合っています。
OPはPUFFYの「SWEET DROPS」、EDはカサリンチュの「High High High」。個人的にEDのサビがすごく好き。
どちらもテンポの良い楽しい曲ですが、歌詞の内容や優しい雰囲気が作品にとてもマッチしています。
うさぎが飛び跳ねるOPの映像も、劇団イヌカレーさんが手がけたEDの作画も絵本のようでかわいらしい。
もちろん、劇伴も物語の魅力を引き立てるほのぼのとした曲が多くて優しい気持ちになります。
主人公・大吉は不器用だけど懐が深い人間で、しっかり者の少女・りんとの掛け合いが微笑ましい。
どのキャラクターも生き生きしています。大吉・りんをはじめ、声優さんの声とキャラがぴったり合っています。
特に、りん役の松浦愛弓さんは子役ですが、演技もうまいし、とっても自然ですごいなぁと感心しました。
原作漫画は全巻既読です。
漫画は、幼児期のりんが大吉と家族になっていく第1部と、高校生となったりんが母親について考える第2部の構成。
結末は賛否両論ありますが、かくいう私も小学生編は高評価ですが、衝撃のラストに幻滅した者の一人です。
アニメ化は第1部のみ。概ね原作通りで、一番心あたたまるストーリーをキレイにまとめてるなぁと思います。
ただ、葬式での親族の心無い発言に大吉が静かに怒るエピソードがカットされていてショックでした。
大吉の人間性が分かるし、りんを引き取るきっかけになった大事なシーンだと思うんですけど…
これ以外にも大吉の心理描写が省略されているので、彼のことをすごい人格者だと誤解してしまうなぁと残念です。
まぁ、その部分を除いても、大吉が子育てに悪戦苦闘する姿と、情緒豊かに成長するりんの姿が微笑ましいですね。
仕事との両立や一人親の苦労など、いろんな子育てエピソードにとてもリアリティがあります。
物語は大きな盛り上がりはなく、一貫してまったりしていますが、飽きさせない演出と構成で楽しめます。