鸐 さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
エゴによる人間の醜さを追求した一本
新感染、ソウルステーション・パンデミックの流れで、ヨン・サンホの最高傑作とうたわれるこちらも視聴。
韓国公開は2013年で、4年たちようやく日本で公開されました。
閉塞的な農村のカルト宗教による人間関係を描いており、決して楽しい話ではありませんでしたが、徹底的に描いた醜いエゴイズムに、目を離すことが出来ませんでした。正に最高傑作の冠も頷ける内容だったと思います。
ヨン・サンホ監督の今後の作品に期待したいですね。
主に物語を語る人物は3人、
一人目は金遣いが荒く、すぐ頭に血がのぼるが自分はまともな人間でなはいと疑ったこともないミンチョル。
二人目は自分が利用されていることに薄々気づきながらも、気づかないふりをして、自分の立場を守ってきた牧師のソン。
三人目は父ミンチョルに振り回され、人生を滅茶苦茶にされたことを悲観し、精神的な救いをソンに求めたヨンソン。
二人が自らのエゴに気づき後悔したときには何もかも手遅れだったと、ラストはしめやかに幕を引きますが、どんな形であれ気づけたことこそが成長であり救いだったと思います。
安直な終わらせ方だったかもしれませんが新感染のブン投げエンドやソウルステーションの皆殺しエンドよりも、終わった感がしっかり出ていたこちらの方が断然好みです。
作画については良く動くのが特徴です。
演技的に良いか、気持ちのいい動きをするかについては別の問題ですが、韓国ではこのくらいぬるぬる動く方が売れるのかしら。
正直、実写でも良かったかもしれません。アニメだからこその魅力は感じませんでした。