蒼い✨️ さんの感想・評価
3.2
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 2.5
状態:観終わった
監督の浪漫の世界ですね。
アニメーション制作:コミックス・ウェーブ
2004年11月20日に公開された劇場版作品。
監督は新海誠。
【概要/あらすじ】
2011年の夏に故郷の青森に戻った31歳になる藤沢 浩紀(ふじさわ ひろき)は、
懐かしい津軽の地を踏みしめていた。青い空の下の平和そのものな世界。
だが、史実と違い共産国家が絶大な力を持ち、世界の半分を支配していた世界。
浩紀が中学三年生だった1996年。戦前と呼ばれた時代。
日本も津軽海峡を境に領土が分断されていて、
北海道と呼ばれていた北の大地は共産圏に取り込まれた異国となっていた。
そして室蘭市には、共産国によって天にも届かんばかりの巨大な白い塔が建設されていて、
その塔には、とある重要な秘密があるのだった。
当時、浩紀は親友の白川拓也とともに、機械工場のアルバイトで得た資金を元手に、
自分で設計した飛行機を完成させて、国境である津軽海峡を越えて白い塔まで飛んで行くことを企んでいた。
そして、その秘密を知ったクラスメイトの沢渡佐由理を加えて一同は3人になる。
同じ秘密で結ばれた共犯関係にある彼らの楽しい日々が、このまま続くことを3人は望んでいた。
だが、おとなになった浩紀の傍らには佐由理はなく、青森の空には白い塔が存在しない。
彼らに何があったのか?過去が語られる。
【感想】
SF、寂しげな恋愛、背景作画。
新海作品を構成する3大要素ですね。
観た感じ、輝かしい青春をイキイキと描けていれば良い作品になってたと思うのですが、
3人の青春黄金期がテンプレ的で味気ない。
んで、SF展開で戦争を目前とした時代が進んでいくのですが、設定がファンタジーでファジー過ぎる。
作中で説明がなされて内容は把握できるものの、
何故こうなったのか?どういう理屈でこうなったの?理由付けが強引で説明になってない部分が見られて、
脳内補完が必要な部分が多々あり。ファンタジーと科学が噛み合ってないようなボンヤリしたストーリーに、
浩紀と佐由理の恋愛要素で力技でオチまで繋げていった感。
監督の頭のなかで魅せたいシーンが絵コンテになってて、ストーリーが付属物っぽい。
1個1個のシーンは綺麗なのですが、展開に比して登場人物の描写が浅いためか感情移入しにくい。
詳細ネタバラシになるので解説は控えますけどね。
監督がこの作品で描きたかったのは、SF設定と自身の恋愛観かな?
愛のためなら他は一切顧みなくていいみたいな感性と無償の愛みたいな、
その手のストーリーが好きなら楽しめるんじゃないでしょうか?
作画は綺麗なことには綺麗なのですが、物語が私にはしっくりこなかったw
絶対に壊したくない恋心というほど人間関係が緻密に描かれていない上に、
終盤に{netabare}主人公が知っててヒロインの目覚めと引き換えにわざと北海道を消滅させたという{/netabare}酷いことをしましたしね。
映像美と雰囲気作りで一見綺麗に取り繕っていますが、それほどの深みがシナリオに無い作品だと思いました。
ということで、これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。