岬ヶ丘 さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
「レプリカ」はいらない。「本物」がほしい。
文化祭後の修学旅行での依頼に対して、主人公はこれまで通り自己犠牲的な方法で事態を収める。しかし彼のやり方に部員たちは反対し、3人の関係は微妙なものになる。その後の新ヒロイン・いろはの生徒会選挙やクリスマス合同イベントの手伝いの依頼を受けた主人公は、これまでの自分の信念と実際の行動に綻びや動揺が生じていることを自覚する。生徒会選挙ではこれまでとは違う方法で依頼を解決し、クリスマスイベントの際はヒロインに、「本物」とは何かという自身の気持ちを赤裸々に伝える。そして3人の関係は・・・。
主人公の葛藤や成長と、それとともに変化していくメインヒロインたちの恋心が2期のメッセージのように感じた。また顧問の先生との会話も印象的で、胸に残る内容だった。ただ合同クリスマスイベント後の季節の行事などはやや駆け足の印象で、原作は未読なのでわからないが、もう少し丁寧に登場人物の心情を描いてくれるとよりわかりやすかったかなとも。
タイトルに「青春ラブコメ」とあるように恋愛要素も当然大きな要素の本作だが、個人的には主人公のぼっち特有の自己犠牲的な問題解決・解消方法の自己矛盾と、主人公が求める本物の人間関係を涙ながらに訴えるシーンなど、彼目線で作品を切り取って共感する点が多かった。彼自身は非常に純粋な人間であり、純粋すぎるが故の切実な葛藤が「本物」という言葉に込められていた気がしてならない。最終話の3人の今後の展開についてはここで終わるのか?というのが率直な印象だったが、続編に関してはどうなのだろう。
2期から制作会社が変わったこともあり、キャラクターデザインが変更されている。主人公が少しかっこよくなりすぎている印象もあったが、明るく清潔感のあるデザインで全体的に好感は持てた。1期では少しべたついた作画のタッチで、主人公の目の死んだ感じはよく再現出来ていたと思う。両者の中間くらいのデザインがバランス的にはよかったのかな。楽曲については1期同様素晴らしく、特にOPの「春擬き」は軽快な音楽と共に作品のメッセージを丁寧に伝えていたように思う。
全体的に主人公のぼっち特有の言動や、難しい言い回しや表現などやや人を選ぶ印象の作品ではあった。ただ2期まで見続けていく中で変化していく人間関係は見ていて考えさせられる部分も多かった。1・2期と継続することで評価が大きく変わっていく作風だった。
視聴日 18/2/12