頑張って見る蔵 さんの感想・評価
3.4
物語 : 2.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
バイオレットちゃんに萌える雰囲気アニメ
―13話まで視聴済み―
孤児だった主人公ヴァイオレットは、目が覚めるとベッドの中。あるはずの両手は義手に変わっていた。恩師「少佐」の姿もなく、戦争も終結していた。
彼女は戦争中、少女兵として使役されており、その扱いは兵士というよりは武器としての扱いだった。彼女はまるで感情のない人形。
しかし、彼女は「少佐」の最期の言葉「愛している」の言葉の意味を見つけるために戦争が終結した街で一歩を踏み出し始める。
手紙代筆業「自動手記人形」の「ドール」として
【感想】
金髪の麗人ヴァイオレットが感情を得ることがこの作品のメインテーマだ。
美しいが、血が通っていない元少女兵バイオレットの声を演じるのは石川由依さん。彼女の透明な声質は非常にはまり役だ。
シリーズ構成は、劇場アニメ「聲の形」とおなじ吉田玲子さん。
手紙は人の心と心をつなぐもの。その仲立ちであるドールの仕事を描き出すための心情描写を映像でうまく表現しているとおもう。
タイムラプス的な表現や、花々や、星、街並みなどの情景の書き込みは美しい。
精緻な作画の「君の名は。」や世界観が魅力的だった「プリンセス・プリンシパル」が好きな方にはお勧めだ。
個人的には派手なアクションや、お色気といったものはない分、上質な物語を楽しんでいきたい。
【最終話後追記】
{netabare}
と思ってみてましたが私はあまりのめりこむことができませんでした。
しかし、程よい世界観があって、美麗な作画はアニメとして素晴らしいです。
理由としては、
{netabare}
物語的には掘り下げが不十分で個人的には満足できませんでした。
・元少女兵バイオレットちゃんのオーバースペック
類い稀なる美少女、最強少女兵、超売れっ子自動手記人形
・物語の暗部となる戦争の薄っぺらさ
あまりに稚拙で、申し訳ないけれど噴飯ものです。
登場人物の心の傷に比べて街の疲弊した様子がほぼない。
11話の「戦争を継続したがる人物がいる」で終わってしまうくらい
戦争の理由が深く明かされることがないこと。
ヒール役としてのキーパーソンである大佐の描写が雑。
クライマックスの戦闘なんてもう…。ね。
・世界観における人物・心理描写のアンバランスさ
上記2点に関連するが、科学技術や経済レベル等は近代ヨーロッパ程度に成熟している。が、登場人物の考え方および政治機構がそれに見合わず違和感があった。
早い話が考証不足を感じました。フィクションに考証などないかもしれませんが…。
{/netabare}
人間ドラマとして深く掘り下げられた作品だと期待していたために
期待を裏切られた感じを受けました。
京アニに過度の期待を抱きすぎたのかもしれません。
しかし繰り返しになりますが作画の美麗さ。特に古き良き近代をモチーフにした世界の描写は非常に素晴らしい。そして主人公バイオレットちゃんの声、姿、立ち居振る舞いには凛としたものが感じらえれた。
萌えアニメとしては、とてつもなくよい出来でした。
{/netabare}