ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
トキメキ感謝祭ってご存知ですか?
少し時間が取れるようになったので
やっとアニメを見たりレビューを書いたりできるようになりました
半年ぶりのレビューなので書きたい作品はいろいろあったのですが
復帰レビュー第一作としてこの作品を選ぶことにしました
やはり人気の作品には良質なレビューがたくさんあるのですが
そうでない作品はレビューの数も少なく
特にこの作品のレビューに関しては
作品の成り立ちについて書いたレビューが一切ありませんでした
まぁwikipediaにすら載ってないので仕方ないのかもしれません
この作品のOP・EDを担当しているのは
トキメキ感謝祭という声優ユニットです
簡単に言えばこのアニメのメインキャスト8人によるユニットです
アニメのメインキャストを集めてユニットとしてデビューさせる
というのは最近わりとよくある手法ですね
トキメキ感謝祭もそうやってアニメから生まれたユニット・・・ではありません!
TBSのアニメに出ている声優をゲストに呼んでトークする
『女子が語るアニメ話「これスキ!なんかイモみたい!!」』
通称スキイモという番組をTBSがYoutubeで配信していました
2013年から2015年まで配信したところで一度リニューアルし
『新スキイモ!』として再出発した際
新たなMC担当として選ばれたのがM・A・Oでした
その新スキイモ番組内企画「声優ですけど歌ってみた」
で最初はM・A・Oが「少女A」やら「17才」やら
プロデューサー?のバリニャンの趣味全開で
古いアイドル曲のカラオケを披露していたのですが
このカラオケ企画がなかなか好評だったらしく
他の声優をどんどん巻き込んで規模拡大していき
集まった声優ユニットに公募で名前を付けたものが
このトキメキ感謝祭です
配信の枠を飛び越えてリアルライブなども行うようになり
そしてそのライブ内で発表されたのが
メンバーをメインに据えたアニメ制作
それがアクションヒロインチアフルーツという作品だったわけです
アニメのために声優が集められたのではなく
この声優陣ありきでアニメ化企画が進んだわけなので
キャスティングに不満を言うのは
わざわざカレー専門店に入って
この店にはラーメンがないからクソ!
って言うくらいナンセンスです
ちなみにカミダイオー役の渕上舞は
スキイモ初代MCということで
M・A・Oの先任にあたります
チアフルールのルーツであるカミダイオーに
トキ祭のルーツでもある彼女が選ばれるのも
アニメの成り立ちをわかっている人から見れば
ベストチョイスであることは一目瞭然ですね
では、なぜアイドル声優ユニットのアニメが
特撮アニメになったのでしょうか?
まぁ身も蓋も無い言い方をすれば
バリニャンの趣味の一言に尽きます
そもそもトキメキ感謝祭における声優集めの段階で
特撮好きのプロデューサーの嗜好がだいぶ反映されているんです
まず番組メインMCであり
アニメの主役白銀御前役だったM・A・Oに関して
ご存知の方も多いと思いますが
彼女が声優活動を始める前には女優として
海賊戦隊ゴーカイジャーでルカ・ミルフィ(ゴーカイイエロー)役を演じていました
つまりはモノホンの戦隊ヒーローというのが彼女の経歴なわけです
そしてその戦隊ヒーローの仕事をする際に
変身後のスーツアクターの動きに合わせて声を吹き込むという
まさに声優としての仕事を初体験したことがきっかけで
本格的に声優業に転向することになったわけなんですね
そしてもう一人赤城杏役の伊藤美来
彼女は自他ともに認める大の特撮好きで
自身のバースデーライブでは戦隊ソングをカバーするのが
そろそろ恒例になりつつあります
先日行われたチアフルーツのBDイベントでも
5人で行う聖果戦士ヒナネクターの登場シーンに
一人だけ気合の入り方が違ってほかのメンバーに笑われていました
ちなみに赤来杏のカラオケ点数は18点でしたが
みっく自身は昨年アーティストデビューも果たしています
ちょうど今放送中のアニメ「りゅうおうのおしごと」で
EDテーマ「まもりたいもののために」を歌っていますね
そのほかBangDreamプロジェクトでは一番人気バンド
「ハローハッピーワールド」のメインボーカルも務めていたり
桃井はつり役の豊田萌絵とPixisとしてアイドル活動もしています
本人もキャラクターになり切って歌うのは好きだと公言しており
杏のキャラソンを歌う際はどこまで18点に寄せるべきなのか
30点だった柴村果音役の白石晴香とともに悩んだそうです
メンバー選びが後半に差し掛かって
ユニットとしての活動が見えてきたあたりからは
何というか政治的なキャスティングのにおいが
次第に強くなっていったのは否めません
おそらくそのあたりからWeb番組プロデューサーの思い付きだけではなく
水面下でアニメ化まで視野に入れて
構想を練っていたのではないでしょうか?
シリーズ構成の荒川稔久は
アニメ以外に戦隊ヒーローも手掛けていた方で
M・A・Oの出演していたゴーカイジャーも彼の作品です
そのつてで連れてこられた作曲家の渡辺宙明は御年92歳
その年で未だに現役という特撮界のレジェンドです
そのほかにも特撮にかかわっていたスタッフ
特撮好きなスタッフなどが集められた結果
特撮ネタをシナリオにちょっと入れて・・・
コンテでもちょっと入れて・・・
作画でもちょっと入れて・・・
という具合にどんどん収拾がつかなくなって
特撮オマージュだらけになっていってしまったそうです
もともと意図していたわけじゃなかったんですねw
特撮ネタに関しては
詳しく書かれている方がいるようですし
まとめられたWikiなどもあるようなので
こちらに細かく記載することは控えます
さて、チアフルーツというアニメ全体としてみると
舞台上のアクションのシーンなどは
いろいろ頑張っているのはわかるのですが
最近は舞台上でのライブシーンに
異常なまでのエネルギーを注ぐ作品がいくつもあるので
それらと比較するとどうしても地味でチープな印象になってしまいました
シナリオはちょっとベタ過ぎると感じる部分もありましたが
全体としては悪くない出来だったと思います
キャラと声優に関しては悪くなかったと思いますが
8人はワンクールものには少し多すぎる
いえ正確には8人を掘り下げていくには
ワンクールではすこし尺が足りなかった
と言うべきでしょうか
スタッフやキャストからは
続編に前向きな発言がいくつか飛び出していますが
残念ながら商業的にはかなり厳しい数字のようです
ですが、もし続編があったら是非視聴したいと思える作品でした