二足歩行したくない さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
振り返ってみると、ああいい作品だったなと思うことができます
アフターウォー(A.W.)という年号を持つ宇宙時代の出来事を描いた作品。
Gガンダム、ガンダムウイングに続き、アナザーガンダム3部作と呼ばれるガンダムの1つですが、G、Wに比較すると余り話題に上らない印象を受けます。
Gガンダムの作品自体の強烈なインパクトと、ガンダムウイングの市場の広さに比べると、ガンダムXは他メディアへの展開も少なく、ストーリー自体も比較的地味、放送期間が短いなどが理由かと思います。
ただ、作中には「私の愛馬は凶暴です」に代表される有名な名言(迷言?)が多く、また、地味ながらも無難に面白いため、一般的にも高評価な作品だと思います。
ストーリーは、コロニー独立から発生した第7次宇宙戦争が多数のコロニー落としにより地球人類のほとんどを死滅させ地球に致命的なダメージを与えた結果、勝者なきままに終結するところから始まります。
終戦を元年として15年経過したアフターウォー(A.W.)15年、ようやく荒廃した地球上にも陽の光が届き始めた頃、ジャンク屋やモビルスーツ狩りを生業としている戦争孤児ガロード・ランは、妙な男からバルチャー(廃棄された物資を回収し売買する集団)に捕らえられた少女ティファ・アディールを取り戻してほしいと依頼を受ける。
バルチャーの戦艦からティファを救い出したガロードだが、依頼者を見て怯えだしたティファを連れて逃亡する。
ティファに導かれたガロードは、第7次宇宙戦争の時の伝説的モビルスーツ、ガンダムXと遭遇する。
終戦後から次の戦争が今始まらんとしているその時を描いた作品で、他のガンダム作品のような戦時中を題材としたものではないことが特徴です。
連邦と宇宙軍はいがみ合っていますが、戦争状態には入っておらず、主人公達の敵はガンダムを目的としたバルチャーや非常に利己的な目的を持って動いている人たちだったりします。
個人的な感想ですが、Gガンダム以上に、これガンダムじゃなくても良くね?と思うことが多々ありました。
戦争をしていないし、宇宙に行くのも後半になってからですからね。
ただ一方で、作中にニュータイプが存在し、彼らの意義を問う内容となっており、そういう意味ではガンダムらしいガンダム作品であるとも言えます。
ウイングの評価を踏まえて、美少(青)年5人がそれぞれガンダムを操縦するというフォーマットになっています。
各ガンダムの作成の経緯、及び彼らの手に渡った経緯については、ガンダムXを除き詳細には語られておらず、特に第7次宇宙戦争から活躍していたガンダムレオパルドとガンダムエアマスターについては裏のストーリーがあることを匂わせておきながらも、本編内で説明がありません。
フォーマットに沿うために無理やりガンダムを設定した感じがすることと、視聴中はストーリーが冗長で、更にはキャラクターの行動にも納得できかねるところが散見されたところがあります。
ただ、本作は、どこからか雰囲気に溶け込むというか、作中の世界に親和することができれば、楽しむことができると思います。
今、見終わったあと振り返ってみると、ああいい作品だったなと思うことができます。
逆に捉えると、説明不足で唐突なストーリーを許容できない方にはおすすめできない作品と感じました。
ニュータイプというワードは出てきますが、宇宙世紀のガンダムを見なくても楽しめます。
また、話数も比較的短いので、ガンダムを初めて見る人でもおすすめします。