「カラフル-Colorful(アニメ映画)」

総合得点
64.2
感想・評価
413
棚に入れた
1778
ランキング
3950
★★★★☆ 3.5 (413)
物語
3.8
作画
3.6
声優
3.1
音楽
3.4
キャラ
3.4

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◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

夢を失いモノクロの世界に生きる少年の自分探しの物語。丁寧で情熱あふれる制作に納得の名品。

2010年公開のアニメ映画 127分

原作 森絵都 監督 原恵一 脚本 丸尾みほ 
制作 サンライズ アセンション

森絵都による小説「カラフル」が原作となる長編アニメ映画。
原恵一は「エスパー魔美」が初監督で、クレヨンしんちゃんの2代目監督とともに、
劇場版「暗黒タマタマ大追跡」~「嵐を呼ぶアッパレ戦国大合戦」の計6作で、
名監督の地位を手に入れ、「河童のクゥと夏休み」で知名度も上がった人です。
その後、フリーランスとなり、今回はサンライズからの提案で監督就任となりました。

フジテレビの宣伝特番が「かつて中学生だったあなたへ」なので大人向けの作品ですね。

全体的に落ち着いたムードですが、前半は陰鬱といってもいいようなカラーです。
リアリティ重視の作品ですが、
まあ現代日本の役者で高度な演技ができる人はいないのでアニメ化で正解でしょう。

前世で罪を犯した「ぼく」が死んだ中学生の「小林真」に乗り移りやり直しの機会を与えられるという設定。
その件以外は普通の中学生生活ですが、真は成績が悪くいじめの被害者であったのです。

ということで、のちの作品「心が叫びたがっているんだ」や「聲の形」と雰囲気が近いです。
この作品の場合、いじめを受けていたのは以前の真で、
助けてくれるのは現在の真であるというトリックが文学的です。
名作の誉れも高いこの2作と比べても引けを取らない深いテーマ性、
アニメの出来も上々です。特に作画は現代でも見劣りしません。

心に突き刺さるというより、淡々とした心情の変化を描いた大人な作品。
まあ、3作続けてみたらおかしくなりそうなので、
楽しい作品の合間にちょっと挟んで観ると感慨深い作品になると思います。
重い部分もありますが、暗い作品というわけでもなく、気軽に見れると思います。

美しい背景(二子玉川周辺の景色)、リアルな中学生生活、地味だが魅力あるキャラに、
引き込まれること請け合いですね。

ところで「メガネをとってもブス」と言われた真に思いを寄せる少女の役は、
のちに「おおかみこどもの雨と雪」で熱演した宮崎あおいさんですよ。
ケータイ刑事銭形愛から大河ドラマ「篤姫」で押しも押されぬトップ女優です。

良い作品に出合えました。

投稿 : 2018/02/09
閲覧 : 560
サンキュー:

34

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