101匹足利尊氏 さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
真っ白スクリーンに赤玉二つ♪
後編公開のタイミングで劇場で前後編一気見した作品。
既にTVアニメ版を何度も観た後でしたが、
劇団イヌカレーの魔女結界を是非、大スクリーンで体感しようと、
基本総集編であることを承知で映画館に足を運びました。
鑑賞開始して間もなく、迫力アップするのは魔女結界だけでない。
シャフト作画&蒼樹うめ氏のキャラデザが繰り出す、
へらべったい主要キャラたちの顔面も次々に、
スクリーン一杯に超ドアップで襲撃して来る危険に気が付きましたw
特にキュゥべえの顔面襲撃は常軌を逸しており、
雪原の如く真っ白なスクリーンに赤色の円らな二つの瞳をパチクリさせながら、
自身の論理と世界の真実と共に鑑賞者に迫って来る極大のクライシス!
ひどいよwそんなのあんまりだよw
トラウマに若干、謎の多幸感が入り混じった、あの時の劇場体験は今でも忘れられませんw
総集編とは言え、作画等には全面的に手が入り、セリフも新録。
ちょっと近未来?な街並み、建造物の数々もリフォームされ、新鮮な歪さを醸してますし。
さらには新規映像もあって、私は迫り来る顔面の数々を受け流しながら、
目を皿にしてスクリーンに喰い付いていました。
また既にTVアニメ版を観た人にとっては、
{netabare}もしかしたら、この些細な描写の違いが、本編とは別の平行世界を意味するかもしれない。
と考察する楽しみもありますし。{/netabare}
嬉しかったのは{netabare} “マミさんのテーマ”をKalafinaが日本語で歌う挿入歌として流れたシーン。
シリーズ中でも幸福感で私が一番テンションが上がる場面です。
{netabare}で、一層、高々と持ち上げて垂直落下ブレーンバスターばりに叩き落とすとw{/netabare}{/netabare}
今でもたまに見返したりしますが、個人的に難儀するのが、
未だに前後編一気見以外で視聴できないこと。
だって{netabare}前編でヘビー級の絶望連発された後に、翌日迎えると
へこみ過ぎて間違いなく日常生活に支障を来しますものw
だから再見の際はいつも、まとまった時間を確保して
必ず完走して希望を見出すようにしています。{/netabare}
ただそれも欠点と言うより、私個人の精神耐久性の問題。
前後編の切れ目自体も熟慮の跡が感じられて、
鑑賞パワーが持続する満足度の高い劇場版です♪
付記:前編ラスト間際に当たるシーンで私がいつも思い起こすエピソードは、
{netabare} さやかの絶望が極まる引き金をひいたホスト風?の男二人の会話が、
脚本・虚淵玄氏が電車内で実際に耳にした頭の悪い雑談を元に作られたという事実。
白と黒が際立つ異様な作画演出と共に流れる、シリーズ中でも最も浮いたセリフですが、
この逸話を知った上だと、何か違和感により、
視聴者に現実社会の世知辛さに気付いてもらいたいという意志を感じます。{/netabare}
新房監督も、是非、知っておいて欲しい事とのこと。
実際の世界にも、魔女を顕現し得るだけの汚濁に塗れた邪悪な思念が渦巻いている。
私も世間のより多くの人に心に留めておいて欲しい事だと思っています。