岬ヶ丘 さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.0
作画 : 2.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
2期を見てみないとわからないが・・・
筋金入りのぼっちでひねくれた性格の持ち主である主人公の学園青春モノ。主人公のぼっち経験・物事を斜に構える独自の視点から学園内の人間関係やトラブルに向き合うことになる。ある意味では生々しく現実感のある人間関係の描写や、「奉仕部」の部員であり、比企谷が入学時に事故にあった件の関係者でもある雪ノ下や由比ヶ浜らとの恋愛要素、個性豊かなクラスメイトとの自虐コメディ要素ふんだんの掛け合いなどが見どころか。
全体的に見る人間によって、大きく評価の変わる作品であるように感じる。1期はまだ序章であり、2期まで見てみないことにはこの作品の全体像がまだ掴めない。他のアニメでみられるようなコメディーアイコン的な「ぼっち」ではなく、「ぼっち」である主人公の強みを最大限に生かした本格派「ぼっち」作品。気軽な気持ちで見ると、火傷するかも。主人公の雰囲気や部活名から「氷菓」を思い出したが、折木とは果たして友達になれるのか。
主人公のぼっち特有の思考や言動によって、依頼者の抱える問題を助ける(キャンプ回など問題が円満解決というわけではないが)という作風は、この作品独特のものであり、オリジナリティーを感じさせる。基本的に主人公は自ら損な役回りを買って出て、周囲から誤解されたり、そのようなやり方に否定的・懐疑的な言葉をかけられる。
この作品は色んな意味で「痛い」。その痛さどう受け止めるかが、この作品を楽しめるかどうかの分岐点なのかなと感じた。彼の考え方や行動を全否定するわけではないし、夏休みのキャンプ回など現実的で考えさせられる展開も多かった。ただ個人的にはもう少し主人公に自分を大切にしてほしいという思いがどうしても強く、見ていて苦しい部分はあった。ただ彼のこのスタンスを否定してしまうとこの作風が成立せず、作品の魅力が損なわれてしまうのは悩みどころ。なんとも釈然としない点は残る。「痛み」があることが悪いのではなく、「痛み」の質が少し異質な印象を受けた。
恋愛面に関しては間違っていると謳っているわりに恋愛しているし、なんだかんだで青春している。ただ主人公の事故にヒロイン二人が関わっているという設定は少し無理やりな印象も受けた。恋愛要素は今後の展開に大きく関わってきそうなので、最後まで見届けたいと思う。
視聴日 18/2/6