DEIMOS さんの感想・評価
3.1
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
作り手の熱量が見えない錦織ワールド。
ガイナ、A-1で実績を積んだ錦織監督の意欲作。彼の真価が試される作品になるだろう。
で、数話を見た感想としては、「誰がこれやりたいんだろ?」という疑問しか湧き上がってこない。テロップを見る限り、作画、デザイン、音楽には著名なクリエイターの名前が並ぶのだが、彼らの実力が存分に発揮されているか、といえば、疑問を感じずにはいられないのだ。
これまであまり錦織監督の人となりは公にされていなかったと思うが、放送直前SPを見て、彼の本質は旧ガイナックス伝統の「オタク気質」にあると感じた。が、その言動からはあまりクリエイティビティを感じなかったのも事実。このアニメを、「セカイ系にふったロボットアニメ」と表現していたが、そんなアニメ、エヴァ以来数多作られてきたわけで。メカデザインの人が、「監督がどういうメカを作って欲しいかなかなか明言してもらえなかった」と発言していたのも印象的。結果として、監督のアイドル好きを斟酌して、「アイドルっぽいメカ」をデザインしてOKが出た、という、、、作画の田中将賀も、淡々と作業をこなしていた。全体として、やらされてる感が漂っているように見えたのは気のせいか。
名作が生まれるプロセス、組織が成功するプロセスとは、リーダーがビジョンを共有し、その実現に向かって個々人がフルに能力を発揮できることだと思う。が、この作品では、軸となるビジョンやテーマが見えないためか、才能溢れるスタッフの本来の熱量が感じられない。
結果、エヴァとあの花とアクエリオンとスタードライバーと諸々の過去のアニメをミックスしたような中途半端な世界観が構築されてしまったのではないか。