Progress さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:今観てる
孤独とヒロイン
露骨にエロイ描写とか、人間側の軟派なメカデザを引けば初見でも入りやすいかもしれないですね。
この作品のエロい描写、つまり性を想起させる描写があっても、世界観として必要なのかもしれない。
作中の大人達からすれば、子供達を性教育を徹底排除したただの兵士にとしてみていること。
そこで男女の区別が曖昧になる。性描写が作中の人間にはそうは見えない。恥らわない。
そういう世界観の中に、主人公に性を意識させるゼロツー。
ダーリン。愛しい人。男女分け隔てなくダーリンは使われる。
ボクと名乗るゼロツー。少年性を持ち性別が曖昧になる。
ゼロツーは主人公にとっての異性。そこに男女という概念をなくした。
ゼロツーがゆがんだ世界で育ったヒロにとっての異性としての特異点。
これが今作の魅力、一つ目。
次に作中のデザイン、もしくは謎。
叫竜と呼ばれる硬派なロボデザイン。人間側の軟派なロボデザインがそれをより際立たせる。
パパと呼ばれる人間側の親玉、もしくは教祖様。人間達の異質な社会構造。
人間側の社会に正当性があるかはわからないが、叫竜が襲ってくるのだから、少年達は戦わないと生き延びられない。
叫竜側と人間側、何が原因で争っているのか?少年達の青春劇を飛び越えたスケール間の世界の顛末。
ゼロツーが叫竜側の血を引く謎。叫竜と人間。交わりあうことがある?ゼロツーの過去は?ゼロツーとの邂逅で、少年達と世界がリンクして、世界の核心に迫る。二つ目の魅力。
最後に、孤独性とヒロイン
ゼロツーは境遇や才能から周りに特別扱いされ、孤独に慣れている。
孤独なヒロイン。理解されないヒロイン。兵士としてしか見られないヒロイン。
心に立ち入れない場所がある。もしくは隠れた本心を抱いている。
その本心を汲み取るのが主人公、ヒロ。
ゼロツーは人に対して諦めを持っていたが、ヒロがゼロツーに与えた。
ゼロツーがヒロに翼を与えるというのが意識されているなら、
ヒロはゼロツーに何を与えるのか。
その鳥は片方の翼しか持たず、雄と雌、番で寄り添わさなければ空を飛べない
孤独のなかにあるゼロツーの少女性、人間性にヒロが気付くことで、
ゼロツーのアイデンティティ、人間としての生を感じているのかも知れない。双方向な関係に発展していく関係。
そんな二人の青春劇が見たい。そんな作品です。
色んな作品が想起されるけど、それは私の心の内にしまっておきます。
だって、作品の外側に既視感があるからって、内側を見なかったら、私の感想は生まれませんしね。一つの解じゃなくて貴方の解が見たかった。