ヒロウミ さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
奈落シチューはぱないのぉ!
トルネコの大冒険+ワンダの巨像-建設的生産=地獄行きの大冒険の始り!な物語。
序盤にあった嘔吐物などをきっちり描写しており、かわいらしいキャラクターからギャップ狙いかよ!がっこうぐらしか?あぁん?だから日本のハイファンタジーは安易でつまらんのよ!ジブリ以外に結果出せないならマニア向けは結局のところマイノリティなんだよ!あぁん?と思っていましたが完走した結果そんなんどーでも良くなりました。
本筋のストーリーですがリコの母へのの思いや奈落へ向かう動機などかなり薄い設定ではあるものの、冒険途中に所々訪れる危機は息をのみ乗り越える姿には達成感すら感じるもので出来の良い死ねない死にゲーRPGのようにハマっていきました。少年少女たちとウサギの真っ直ぐな思いは思わずグッと来ている自分に驚きました。マルルク必要なキャラクターなんかな?
最初はリコのドジな鉄砲玉の姿に違和感が強くありましたが知識を得ることで母に近づいていると思い込んでいそうなところが端々にあるので強すぎる好奇心も仕方ないのでしょう。そう思うとリコの行動原理にも概ね納得できるもので真っ直ぐに進む姿を見るたびに屈折した自分が少し恥ずかしく思えました。
ナナチの生い立ちや歩んできた棘の道は痛々しく心に大きな苦痛を重ねに重ねた姿は自分にも同じことができるだろうか?あなたには大切な人に尽くすことはできますか?と問われているように思え、強い衝撃を受けました。このウサギが報われることを切に願います。ウサギだからお腹にチ○ビ描かなきゃ裸でも良いんだよ!
比較的ストレートな物語で私でも何となく先読みが当たってしまうもので劇的ではありません。だから評価は低いのですがこの作品はこれが良いのかもしれません。これだけのハイファンタジーだからこそ物語がややこしいと面倒臭くなりますしね。
作画も素晴らしく嗚咽すらキチンと動的描写で描いているのは最近の作品でも珍しいのではないでしょうか。人の喜び、悲しみ、苦しみ、痛みなどキャラクターの「動き」で描写されたアニメと呼べるアニメでした。そこそこ描かれた多くの作品とは明らかな違いに私のようなドシロウトでも気付けるぐらいなので制作会社の本気度が表れているのかもですね。
劇中音楽も見事な世界観にぴったりハマり作品に入り込ませる大きな力となっていました。
日本のハイファンタジーは多くがつまらない。深夜アニメにいたってはほぼ壊滅。その作品がもつ最大の魅力になるべき世界観がきれいな絵で表現することが厳しいのでしょう。結局は予算の問題なのでしょうけど無いものは無いしね。
「本」が良いところは無い情報を読者の妄想で都合良く描ける。如何に妄想させるかが作家の力であると思います。あん本をまり読まないけど。
アニメは描かれたものがストレートに評価される。この作品は「本」の世界観などの良いところをしっかりと「アニメ」にした秀作と言えるものではないでしょうか。
この少年少女とウサギの冒険の始まりを是非ともアニメでも終わりを見せてほしい!見たい!と心の底から思えた、そんな作品でした。
ミ○ティが花澤様か!と思ったのは少女終末旅行を見たせいだ!そうに違いない!