ようす さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
唄うことは難しいことじゃない。好きなことを好きだと伝えることも、難しいことじゃないはず。
『四畳半神話大系』『ピンポン』などを手掛けた、
湯浅政明監督による、オリジナル長編アニメーション。
2017年5月に公開、
アヌシー国際アニメーション映画祭長編部門クリスタル賞(最高賞)を受賞。
120分ほどの作品です。
● ストーリー
舞台は、太陽を遮る崖・お陰岩(おかげいわ)が湾にそびえる漁港。
人魚の伝承がある日無町(ひなしちょう)。
中学三年生の足元カイ(あしもと かい)は、
何事にも無気力だったが、音楽には関心があった。
動画サイトにアップした打ち込み動画をきっかけに、
同じクラスの遊歩(あゆほ)と国夫(くにお)からバンドに誘われる。
お陰岩を越えたところにある人魚島で練習をしていると、
誰かのものかわからない歌声が聞こえてきた。
この海には、
本当に人魚がいる…?
人魚のルーは音楽が大好きで、
音楽が流れると嬉しくて踊りだしてしまう♪
とてもかわいい人魚ちゃんです^^
人魚の存在によってファンタジー色が強くなっていて、
ポニョに似ているなあと思いました。
表情を表に出さなかったカイが、
ルーと出会うことで心を開いていく様子も、この作品の特徴。
というか、ルーと出会って人格変わりましたねw
ルーの存在によって、やりたいことを見つけて、
本来の明るい性格を取り戻したと言うべきか。
出会った時からルーのこと好きすぎで、
ただのロリコンなのでは?とも思いましたがw
ルーが一筋縄ではいかない存在だからこそ
いろいろなハプニングがあり、内容は盛りだくさん。
後半は駆け足にも感じましたが、
ストーリーはよかったと思います。
でも結局“お陰様のたたり”って何だったの…?^^;
● 作画
湯浅監督らしいなあと思う独特な作画。
色遣いや作画のテイストの使い分けなど、
演出はさすがだと思います。
安定感というよりも、
オリジナリティ感が強いです。
だからこそ
湯浅ワールドとして堪能できるのですが♪
ストーリーもよかったですが、
作画だけでも十分楽しめるクオリティの高さです^^
● 音楽
音楽好きなルーが歌う時の声は、
ボーカロイドが使用されたような声になっています。
機械で神秘を表現するなんて、
真逆な関係のはずなのに、
マッチしているから不思議でした。
【 主題歌「歌うたいのバラッド」/ 斉藤和義 】
この曲が主題歌ということで、
作中でもアレンジされた曲がたくさん使用されています。
実は私はこの曲を今回初めて聴いたのですが、
すごく好きになりました^^
この作品自体も好きですが、
それは、この曲の力がすごく大きいと思っています。
● まとめ
作画と音楽、そしてストーリー。
この3つの力にとても魅せられた作品でした。
この魅力を語るのはちょっと難しいですが、
湯浅監督の演出が好きな人なら、
間違いなく楽しめると思いますよ♪
サイエンスSARUにとって初めての完全オリジナルアニメーションですが、
今後の躍進に十分期待が高まる作品でした^^