こたろう さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態：観終わった
多彩なキャラ、複雑な構成、痛快な魅力
グロの入ったアクション＆ミステリーとでも言えばいいでしょうか。
冒頭と最後で登場人物自身が語っていますが、特定の主人公を定めず、誰の視点からも物語は成り立ち、誰の物語であるかによって見方が変わるというのを体現した群像劇です。
色々と変わった演出の試みもされています。
先ず特筆すべきは、登場人物のそのキャラクター。
善人、悪人、入り乱れていますが、どのキャラも物凄く個性があって魅力的です。群像劇といえどただ多人数なのではなく、主役級のキャラが粒揃い。
過激な行動力や特殊な生い立ち、そしてオレ様的な考え方をもっていて、セリフ回しも実に絶妙で痛快。
十人十色の立場が絡み合い、人と人との縁が物語りを広げていきます。
人殺しもいっぱいしますが、基本的にギャングの人が多いので仕方ないと妥協ですｗ
ストーリー構成はかなり特殊です。
本筋は基本的に、大陸横断列車で起こった事件を中心にしていますが、その事件のきっかけや列車に乗っている人にまつわる話を、少しづつ小出しに、合間合間に挿入する形式。
目まぐるしく時系列が入れ替わります。
列車の事件が収束すると同時に、過去話や謎解きも完結するという構成。
従って、ある程度背景が見えてきて終盤で盛り上がるときは面白いのですが、序盤はともかく？？？の連続。
正直イライラします。
ただでさえ登場人物が多いのに、こういう形式にされると前に見たエピソードや伏線が記憶にないと楽しめない。一気見するならともかく、１週間に１話しか放映しないＴＶアニメでこの形式は無茶があります。
DVDや録画で見直してもらうのが前提になってるのは、いかがなものかと思う次第。
ちゃんと時系列どうり作るか、１話１話で時代を区切っても普通に全然面白いと思うのですが、小癪な演出のおかげでライトな視聴者を遠ざける結果になってるのが残念です。
２週目のループ視聴だと最初からそこそこ楽しめるだろうけど、ネタバレしてしまっている以上、失ってしまう楽しみも当然あります。
租借して深く考察するようなタイプの話でもないし、やっぱり「コアな人だけ楽しめる」という作り方、気に食わないなぁ、個人的には。
ともかく、キャラの魅力は太鼓判。
難解だからと序盤だけで敬遠するには勿体無いです。
視聴なさるときは、全巻そろえて一気見するのをオススメします。
