たわし(爆豪) さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 5.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
押井作品は「10年後」に見ると考えさせられる
大人になることのできない永遠のアダルトチルドレン「キルドレ」。
押井さんは「攻殻機動隊」からずっと描いてきた「人造人間」の究極とも言える姿で、容姿はデザインできるし年齢制限もあるし、死んでもまたクローンとして復活できる。
しかし、タバコは吸うし、性欲もあるし。。一応やることはやる。
架空のヨーロッパで、戦争を無理やり終わらせるために代理戦争に駆り出されるわけだが、そこに生きる人間たちは他人事でまるで名門サッカー選手を応援するかのごとくエールを贈る。自分たちが一体どういうつもりなのか全く認識していないある種のデストピアである。
押井作品は発表時に観てもピンとくるわけではなく、噛めば噛むほど味が出てくるタイプのスルメアニメである。
攻殻⇒イノセンス⇒スカイ・クロラとみると、押井さんが作品で一体何がやりたかったのかがわかる。
世の中の閉塞感、自立できない自我、無気力と虚無感。
よく押井さんは「独身者のための映画を作っている」というがその通りだと思う。
ラストの絢香の「今夜も星に抱かれて」を聞くだけで涙が出てくる。