おかむ さんの感想・評価
4.4
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態：観終わった
丁寧に練られた言葉のやり取りに脱帽
物語的にはやや盛り上がりに欠け、最終的には「俺達の戦いはこれからだ！」エンドになってしまったのが残念。
これは元々分割２クール作品である為仕方の無い事ではあるが、やはり満足感に欠ける印象。
ただ、丁寧に練られた言葉のやり取りは本当に素晴らしく、まるで重厚な小説を読んでいるかの様。
これも好みが分かれる点ではあると思うが、個人的には非常に好印象。
監督は密かに高い人気と評価を得ている『喰霊-零-』の監督でお馴染みのあおきえいで、演出面は非常に丁寧に感じた。
特に会話が中心の群像劇であるにも関わらず、画面に人を引き付ける演出は見事である。
声優は馴染みの深いベテランが多く、非常に安定した好演が目立った。
個人的には同年夏の作品である『Steins;Gate』で橋田至を務めた関智一は今作でアーチャー役を演じており、その演技の幅の広さに驚きを隠せなかった。
キャラもそれぞれに個性的で魅力的である。
また各々に思惑や信念、理想や境遇が設定されており、観る物それぞれに共感や自己投影をさせる魅力がある。
この点に関しては原作者である虚淵玄の功績が大きいのであろう。
作画は2011年作品の中でもアクションに関しては随一であろう。
特にセイバー対ランサー→ライダー登場→バーサーカー対アーチャーのシーンの完成度は驚く程高い。
アクション以外で時折、不安を感じさせるシーンが見受けられたのが残念である。
それでも表情等は生き生きとしており、全体的に概ね好評である。
音楽を手掛けたのは梶浦由記で、登場人物が歴史的背景を持つ今作に相応しい重厚感溢れる素晴らしい楽曲が多かった。
オープニングとエンディングの両主題歌も作品の雰囲気を高める役割を十分に果たしている。
個人的には、『Angel Beats!』後、公式には１stシングルとなるオープニングを唄ったLisaは今度も楽しみに感じる一曲を提供してくれた。
不完全な終わり方を除けば全体的に高い品質であり、2012年4月からの二期も楽しみな一作である。
是非、ご視聴をお奨めしたい。
