ぽんちゃま さんの感想・評価
2.6
物語 : 1.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
1年(4クール)なら評価されていたアニメ
改めて観てみたくなって一気見しました。アニメ本編よりも「どうしてこうなっちゃった?」という、裏の大人の事情を想像するのが楽しいアニメ。こんだけお金をつぎ込んだ作品なはずなのに、観終わって損した気分にはならないけれど、得した気持ちにもならない不思議なアニメ。
アニメ本編の総評としては、他の方が言っているほど「糞」とも「駄作」とも感じませんが「失敗作」だというのは痛感する作品です。
では、何がそれほど「失敗」かと言うと、そもそもの尺(話数)に対して設定のボリュームが著しく合ってません。盛り込み過ぎです。で、盛り込み過ぎちゃった結果、どの要素もキャラクターも触る程度で物語が進み感情移入が難しいです。
<以下、盛り込み要素>
○ダブル主人公&ダブルヒロイン
○三つ巴どころではない複雑で数の多い陣営とキャラクター数
(敵・味方・元味方本国・裏の支配者勢・味方学園サイド・味方パイロットサイド)
○主人公機が5機
大きく言ってこの3点。どう考えても欲張りすぎで、この3つを同時に盛り込もうとしたら、そもそも24話で描き切れるボリュームではないと思います。
「すっげー豪華な人材集めて、超豪華なマンション建てようとしたんだけれど、土地が半分くらいのちっちゃいトコしか確保できなかったよ…トホホ。ま、いっか。今更設計図作り直せないし、当初予定してた内容で作っちゃえ」
そんな感じがプンプンします。
答え:作りは豪勢だけど、どの部屋も小さすぎて快適に暮らせません。
同じ内容で1年(4クール)で作れていたら、キャラクターをもっと掘り下げて描けていたら名作になっていた作品だと感じます。
逆に、2クールで描くのなら、サンダー(山田)とVVV黄色、アキラちゃんとVVV紫も余分です。サンダーと犬塚先輩は一人にしちゃって「真面目っ娘が好きな人情味ある番長」で充分です。その方がもっと泣けますし、描く尺も増えます。アキラちゃんだって、「実は大好きだったお兄ちゃん守るためにどうにもVVVでハッキングしなくちゃいけなくて、緑色に同乗したけど成り行きで操縦する羽目に…」の1エピソードで充分なキャラかと。エルエルフの恋心も余分です。設定もアードライと足して1人にして「亡国の王子」でいいじゃない。敵側同期生だって、どう考えても多すぎです。一人二人少ないくらいが丁度いいです。陣営だって複雑過ぎます。敵と学園、裏の組織で24話ならいっぱいいっぱいな内容のはずです。
ではなぜ、こんだけ豪華なメンツでこんな無茶なお話しの設計図を作っちゃったのか? それだけキャリアを持った方々なら、そもそもこんな小さな土地に作り切れない建物を作ろうとしないはずです。土地に合った図面を引き直さずに、強引に建てちゃいました。いいえ。むしろ、建てないといけない状況になっちゃった。そう考える方が自然なように思います。なんでかな? 考えると楽しいですね。ま、裏にバンタイがついているとだいたいこうなっちゃいますね。放映開始と同時にプラモ販売してましたからね。
放映終了から5年程、今では話題にも上がらない。その現状がこのアニメの評価かと…