ゲリオ さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 2.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
悪くなかったが期待との乖離があった
PAワークス制作のお仕事系オリジナルアニメとのことで期待されたが、そこまでのインパクトは残せず。
やっぱりテーマがね、厳しかった。町興しを題材にするのは無茶だとは最初から言われていたけれど。
チュパカブラ王国という微妙過ぎる冒頭から始まり、それでもPA作品ならきっと名作になるはずという期待はしていたのだが、気付けば盛り上がらぬまま2クール終わってしまった。
いや、別につまらなかったわけではない。キャラの女の子もまぁまぁ可愛かった。作画も安定していた。なので全体を通した評価としては悪くはないが、最後まで特筆するべき点がなく地味だった印象があり、人に勧められる作品かと問われれば否である。前作の”SHIROBAKO”のハードルが高すぎた反動も痛かった。
それでも地域活性化というどうやっても面白くなりそうにないテーマを真摯に描き切った点は評価したい。
前クールは間野山の活性化として主に外部へのPRを指針とし、映画のロケ地にしたりマスコミを利用したイベントを開催したりといった手段を用いた。3人しか来なかった婚活イベントとかもあったっけ。ただいずれも本当の意味での町興しには繋がず歯がゆいエピソードが続いた。
それが後半の2クール目からは、地元民向けのSNS作成に始まり、今住んでいる人たちがより良い暮らしを行っていくには何をすればよいかという指針に変わっていった。それは、ある意味で町興しへの諦めを意味するのではないかと今振り返ると思う。
最終回も地域活性化をテーマと見るならば決してハッピーエンドにはならなかった。メインキャラ5人の女性は間野山のために出来ることを精一杯取り組んだが、それでも田舎の衰退は簡単に止められるものではない。
上手く言えないが、地方衰退の現実を受け入れつつも、いずれ消えゆくその時まで人々がどのように生きていくべきか、また残すべき歴史や文化は何かを考える物語、というのが脚本家が考える本作のテーマだったのかもしれない。ところが、視聴者が求めたのはSHIROBAKOのようなサクセスストーリーだったわけで、その辺の乖離が少々残念な方向に向かってしまった気がする。