九条 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
些細な選択の違いから生じる無数の異なる運命。
薔薇色のキャンパスライフを夢見る主人公(浅沼晋太郎)の流暢な語り口調から、情報が伝達されており
その上、独特かつ奇抜な人物や演出が織り成すループ構造を駆使した湯浅政明の一風変わった作品。
機関銃の如き早口喋りモノローグと一癖も二癖もある台詞の融合はアニメ媒体においては不合理であり
適切かどうかは聊か疑問ではあるが、結果的にはアニメとして確立されていると思い知らされる完成度。
大衆向けと言える作品ではないが、芸術的観点においては「マインドゲーム」と甲乙付け難い作品であり
ストーリーが集約される過程は、透き通る開放感と何とも言えない爽快なカタルシスを込み上げさせる。
あれも違うこれも違うと、日常を否定し続けた主人公が、無限ループの果てに辿り着いた境地とは何か。
理想の有意義な学生生活とは掛け離れた不毛の日々が、軽妙なナレーションにより滑稽に語られており
その答えが明らかとなる最終話は、本作の「真価」と湯浅政明の「技巧」に思わず感銘を受けるであろう。