るるかん さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
美しい要素がいっぱい詰まっている秀作
二十五首を、一週間で駆け抜けました。それくらい面白くて夢中になりました。かるたの奥は深すぎて、理解できるかな・・・って思いましたが、各々がそれぞれの課題を練習や試合を通して克服していく様子を丁寧に描写してくれたおかげで、かるたの奥深さや難しさや楽しさが分かった気持ちになりました。これはこの作品の力以外の何物でもないでしょう。
この作品には物凄い力(パワー)が漲(みなぎ)っている。吸収していく力、考える力、相手をのみこむ力、そして精神力、才能に頼らない努力、歌から景色を見出す想像力、そして分析力・・・・挙げればキリがないくらい。それらが、仲間との絆を強固にし、喜びも悲しみも苦しみも分かち合える友情が構築されている。かるたを通じて学べることはいっぱいあるのだな・・・と思うけど、実際やったら、どれだけ頑張らなければならないか・・・。
千早と新と太一の小学校時代のエピソードから話は始まるが、このエピソードがとてもよくできていて、特に新と千早にとっては生涯忘れることがない大切なエピソードとなる。後に高校二年生となった新はⅡ期の最終話で千早に、じぶんのかるたの源が小学校時代の千早との勝負にあることを明かすのだが、この小学校時代の千早と新のエピソードがとても丁寧に描かれていたおかげで、作品全体が引き締まった綺麗な話になっている。周りを固めているキャラも立っていて味があってとても良いのです。
お気に入りは大江さんです。古典オタクの大江さんは和風の気品に溢れていて、しかも百人一首の歌の意味を丁寧に教えてくれます。かるたを歴史と風景で見るという独特の視点も良かったし、千早が強くなる為に必要な要素を補完する役割も十分に果たしていました。
西田(肉まん君)は小学校時代にも登場していたキャラで、成長した太一と千早に強引にかるた部に入部させられるが、もともと実力があることから、かるた部の底上げには重要な存在となりました。
駒野(机君)も全くの初心者ながら、半ば強引にかるた部へ入部となったが、かるたを通して、、徐々に自分の心を開いていく様子がとても上手に描かれていて作品のクォリティーを高めるキャラとして輝いていた。
かるた部の五人のそれぞれのかるたへの取り組みや強さの違いも、かるたが分からない人にも十分に理解できるような脚本で、本当に見事なシナリオだと思います。無駄のない脚本・構成で、しかも人の心を打つ綺麗なストーリー展開で、感涙することが何回あったことか・・・。
見る時間をとることができなくて、録画していたものをようやく見ることができましたが、本当に見てよかったです。評価が高いのも頷けます。