ゲリオ さんの感想・評価
2.9
物語 : 2.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
キャラが多すぎて迷走
Fateシリーズの外伝。結局Fateブランドを語っただけのB級アニメだったかな。
A-1 Pictures制作だったが、どうしてもufotableと比較すると相対的にアニメーションの質が格落ちしてしまう。劇場版の"Heaven's Feel"を鑑賞して改めてそう感じてしまった…。
サーヴァント7vs7の聖杯大戦、設定は面白そうなのに結局ほぼ個人戦に終始し団体戦の強みは活かしきれなかったイメージ。途中で各々の陣営が入れ替わるハチャメチャ振りも混乱を招いた。
それとFateシリーズと言えばサーヴァントなどキャラクターの魅力が強みのはずだが、本作は大勢のキャラを深く描き切ることができてなくてキャラ力が弱いと言わざるを得なかった。
特に主人公的存在のジークが外見中身共に魅力が低いのが痛手だった。ジャンヌとの恋愛模様みたいのも余計であり、Fateにそういうの求めてないという視聴者の意見が大半だったのではないか。最終回ラストのセリフが「私はあなたに恋をしています」ってなんじゃそら。このアニメって恋愛物だったのか?
批判ばかりもよくないので、良かった点というかキャラも少し述べておくと、サーヴァントなのにアホな子のアストルフォ君が好きだった。♂だったことを知ったときは多少驚いたけどむしろ有りだったわ。┌(┌^o^)┐
ただし、なぜ彼がジークにあそこまで拘ったのかは謎だったが。キャラ一人ひとりの心理描写がやっぱり薄すぎたのである。
作画に関しては、戦闘シーンなど力を入れるべきところはちゃんと入れていたように思える。前述したようにufotableと比較するから駄目に感じるだけで全体的にはいつものA-1という感じだった。余談になるが、22話はアニメーションの演出手法を変えた異質な回だったことが話題になった。ネットでも"作画崩壊"なのか"神作画"なのかで意見がバッサリ分かれたのが興味深かった。まるでトリガー作品の動画みたいだったけど、個人的には統一性を失わせた点であまり良い印象は持たなかったかな。
2クール完走して思ったのは、やっぱり脚本家の虚淵氏や奈須氏は偉大だったんだなぁと。本作は聖杯やらサーヴァントやら設定はFateシリーズに則ったものだったが、肝心なシナリオ面で大きく物足りなさがあった。キャラクター力の強みを活かせなかったのもつらい。サーヴァントとマスターの性格と行動原理を序盤で分かり易く描いたZeroは面白かったはずだと感慨。今作は最終回になってもよく分からないキャラばかりだったわ。
冒頭の繰り返しになるがFateの看板がなければ、ただの有象無象のラノベのひとつって感じの作品だったかなぁ…。