Dkn さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
老眼鏡をかけた紳士が饗する、リストランテ 「カゼッタ・デッロルソ」にようこそ。
イタリアのローマが舞台の群像劇。
主人公は若い女性で老眼鏡をかけた老紳士に囲まれる。
男が見るもんじゃないなと思ってたら、落ち着いた雰囲気と穏やかに流れる音楽が視聴継続に結びつけてくれました。
子供の頃に両親の離婚で祖父母の家に居たニコレッタが上京し、母のいるローマへ着いた場面から物語は始まります。
この作品に出てくる老紳士たちの自己紹介をするシーンで、「この中で誰が一番モテるの?」と主人公のニコレッタが
聞きます。イタリアの男らしい瀟洒な答えが帰ってきて、これは大人の男を楽しむアニメだと理解しました。
思わず笑ってしまったシーンが、
{netabare}
クラウディオを押し倒す肉食なニコレッタ。クラウディオも憂いた表情で「やめて下さい・・」って・・(笑)
自分が女性だったら楽しいんでしょうね。力も年齢も上の男をソファーに押し倒して表情を曇らさせるなんて、この上
なくトキメクでしょう。乙女モードに振り切ってニコレッタ(20代女子)に感情移入全開でいけば余裕(錯乱)
{/netabare}
若い奥さんを貰ったイタリア男に、歳の差ってどう?と聞くと、あまり気にならないとサラリと返したり・・
なんてセクシーでスマートなんでしょうか・・・。日本人の男性ならしどろもどろで言い訳するでしょう。
イタリアと日本じゃ恋愛観が違うので、恋して家庭を放り投げる事があまり珍しくない空気が“らしい”です。
ニコレッタの母であるオルガが、恋する“じゃじゃ馬”さんなので、ダメな母親かな?と思ったらちゃんとお母さん
してました。日本と違い恋愛に対して陰鬱さがなくて好感が持てます。母と娘で同じ女性同士なのもあるのかも。
最終回まで傾斜のあまり無い展開ですが、温かい空気感と温かい人とのつながりを描き続け物語は終わります。
一部抜粋して・・
4話冒頭。
(↓こんな雰囲気です。一応伏せます)
{netabare}
(雨音が聞こえる店内で。。。)
カウンターに座る 憂いた表情の女性。
常連であろうその女性に
コーヒーを出すカメリエーレ。
“ありがとう”と受け取った女性が、
いつもと違う味に顔を上げる。
「お疲れのようですから、
少し濃い目にしてみました・・違いましたか?」
心遣いを受け女性は
“美味しい”と顔を綻ばせる
・
・
・
離れた席でオーナー夫妻が
そのやりとりを聞き、微笑する。
「傘がなくて良かった」
「ん?」
「長居する理由になるわ」
「・・そうだね」
(静寂に包まれた店内に、雨音だけが鳴り響く。。)
{/netabare}
あくまで日常のほんのスパイスとして恋愛を描くことが「リストランテ・パラディーゾ」の最大の魅力かと思います。
落ち着いてコーヒーを飲みたい午後のおともにどうぞ。