ぺー さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
降りしきる雪になにを思ふ
桜の花の落ちる速度を冠したタイトルなのに雪模様の印象がすこぶる強い私。
君の名は。で新海監督を知り過去作品にも興味を持った口です。
私が言うのもなんですが、ひとつの作品がきっかけで過去作を辿る観客がいることは元々のファンにとっても嬉しいことなんじゃないでしょうか。作品を共有できる仲間が増えるというかなんというか。
「にわかが!」と捨て置かず共有母体が増えることを良しとしてくれると嬉しいです。
新海監督の紡ぐラブストーリーは、雰囲気が共通してます。
すれ違い・モノローグの多用・美しい作画・その他諸々一貫してる印象を持っており、そこに潔さみたいなものを感じます。けっこう好き。
他に「言の葉の庭」も観ましたが、もどかしい感じ、内に内にこもる感じは好きな人にはたまらないですね。固定ファンが多いのもうなずけます。
作品レビューに戻りますと、個人的には第一章が好きですし初見の方は堪能してほしいポイントです。
{netabare}降雪で電車が遅れることは、日常でもよくある一コマなのですが、たどり着けそうでたどりつけない焦燥感と時間が経過するにしたがってのあきらめに似た感情が生じてくるあたり、雪と鉄道の描写がきわめて耽美的で観る者を惹きつけます。{/netabare}
以降第二章から終章まで、第一章でのインパクト(衝撃的なシーンがあるというわけではない)をいい意味で引きずりながら作品全体のトーンを崩すことなくエンディングを迎えた印象ですね。
短めの作品の割には、鑑賞後の余韻がそこそこある良作だと思いますので、観て損はないと思います。
視聴時期:2017年12月
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2018.02.12 初稿
2018.09.08 修正
2021.05.30 タイトル修正