ようす さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
無限に広がる時空。未来。可能性。
あにこれでレビューを読んで、
気になっていた作品です。
時空とか異世界とか、
そういうものが主軸となるため、
ジャンルはSFです。
2005年放送なので、
作画は少し古い感じがしました。
全24話です。
● ストーリー
小学6年生の夏休み。
上乃木ハルカ(かみのぎ はるか)は、
幽霊の噂を確かめるために友だちと肝試しをする約束をしていた。
受験で忙しい幼馴染の後藤ユウ(ごとう ゆう)も強引に誘い、
幽霊探しへ出かけた。
そんな時に出会ったのは、
異次元からやって来た謎の男たち。
彼らが狙っているのは、
“龍のトルク”と呼ばれるものだった。
訳が分からないまま、
狙ってくる男たちから逃げ惑うハルカとユウ。
序盤は、ハルカが“龍のトルク”とつながっている特別な存在らしい、
ということ以外はとにかく謎だらけです。
面白いから見続けたい、というよりも、
謎の答えが気になるから見続けたい、という感覚でした。
全体的によくわからない用語がたくさん出てきます。笑
「設定がよくわからないなー。」と首をひねってばかりでしたが、
最終的には、この世界の理論がなんとなくわかりました。
≪ 子どもの不自由 ≫
ジャンルはSFですが、
テーマは「子どもたちの未来」だと思います。
子どもたちは明るい未来を信じている。
たとえ今がどれだけ辛い状況であっても。
親に受験を強いられ、
大人になって早く自由になりたいと言うユウ。
だけど大人だって完全に自由なわけではなくて、
むしろ「子どもの方が楽で楽しい。」と思うのが、大人。笑
子どもの頃に感じていた不自由というのは、
大人の決めるルールに対してだと思います。
特に小学生なんて、
担任の先生や親をはじめとした絶対的な存在があるから、
「社会のルール」よりも「身近な大人の価値観」に縛られてしまう。
小学生の時、「廊下は右側通行」というルールがありました。
だけどそのルールを守らなくても、口うるさく言う先生はいませんでした。
「ああ、ルールには守らなければならないものと、どうでもいいものとがあるんだな。」
と悟った日のことを、今でもよく覚えていますw
今になって考えると、
身近な大人によってルールが取捨選択される世界にいたわけです。
「あの人は許してくれるのに、あの人は許してくれない」
という理不尽に遭遇することだって珍しくない。
子どもの時は大人の都合や気持ちなんて知らないから、
なんとなく「不自由だな」「おかしいな」と感じていたのでしょう。
≪ 明るい未来を手にするために、強くなれ ≫
この作品に登場する大人たちが伝えたかったのは、
このメッセージかなあと思います。
世界には様々な可能性が分岐していて、
様々な可能性をたどった自分が存在している。
つまり、無限の時空が存在している、というのが
この作品の根っこにある考え方です。
辛い未来だって存在します。
というか、辛いことが存在しない未来なんて存在しないのです。
悲しみや辛いことに遭遇したとき、
自分がどのような在り方を選択するか…。
それが、自分の未来を大きく左右することになる。
だから、悲しみに負けないように強くなれ。
本当にその通りだと思います。
今のあなたは、幸せな未来に立っていますか?と
問われているような気がしました。
● キャラクター
ハルカとユウの友だちである、
イサミ、アイ、ミホ。
この三人がいい味出しているなーと思いました。
サブキャラのようでいて、
彼らがハルカたちを支えている。
イサミの口癖である「ありえねー!」が
一般人くさくて好きでしたw
● 音楽
【 OP「Idea」/ eufonius 】
暗さと明るさが入り混じった曲調は、
不思議な世界観にぴったりです。
【 ED「夜明けの足音」/ solua 】
こちらは癒されるタイプの曲ですね。
狙われて、怖い思いをしているはずのハルカですが、
あまり引きずらず、楽しそうに日常を過ごしていますw
そんなハルカの平穏な心の中が歌われているような曲です。
● まとめ
時空とか、人の存在理由とか存在方法とか、
そんなSFが主軸の作品でした。
子どもは未来を明るいものとして信じている。
それなら、暗い世界を作ってはいけないのが、大人の責任。
平和な世界を子どもたちに託せたのなら、
その世界でどのように生きるのかは、その子自身が決めていく。
おもしろい!というわけではないけど、
つまらないとまでも思いませんでした。
SFな世界観に「ほえー」となる作品でした。笑