「星を追う子ども(アニメ映画)」

総合得点
66.3
感想・評価
648
棚に入れた
3189
ランキング
2936
★★★★☆ 3.6 (648)
物語
3.5
作画
4.1
声優
3.6
音楽
3.6
キャラ
3.4

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ネタバレ

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

ファンタジー色が非常に強いアニメ映画

このアニメは、新海監督作品の一つである。
新海氏が制作した他の作品よりも、ファンタジーを
重視した作りになっている。

本人も明言している通り、ジブリ作品から大きな影響を
受けているのが大きな特徴だ。
そのため、ナウシカやラピュタ、もののけ姫などといった
ジブリ作品と比較しやすくなる。
昔のジブリ作品が好きな人が見ると、懐かしいと感じる部分が
あるかもしれない。

言い換えると、ジブリの二番煎じだという印象がぬぐえないのだ。
見たことのあるような場面が非常に多く、見ごたえはあまりない。

作画の高さに定評があるのは、周知の事実なので
自分が好きな部分のみあげることにしよう。
ファンタジー物であることから、様々なモンスターが登場する。
どこか見覚えがある様なモンスターも混じっているような
気はするが、そこは目をつぶろう。
個人的には好きな部類に入る。モンスターが出るシーンが
一番の楽しみだったような気がする。

新海作品ではあるが、ジブリを相当意識しているためか
流血シーンが多い。新海作品で一番グロイ作品であることは
間違いないだろう。少しばかり耐性がいるかもしれない。
それなりに、アクションシーンもあるが、苦痛に感じる程ではなかった。
雲のむこう、約束の場所よりも確実にレベルが上がっているので
ほっとした。星を追う子どもの方が後に作られているので
当然と言われれば当然だが。

一番良かったと感じたところは、新海作品特有の
自分語りが非常に少ない点だ。いやー、これがないだけで
こんなに見やすくなるものなんだなと感心したものだ。
それと同時に、私と新海作品は本当に相性が悪いという事実に
結びついたことにもなる。仕方ないね。

当然のことながら、気になった部分もいくつかある。(ネタバレ含む)

ヒロインがアガルタに行きたい動機だが、私は
いまいちピンと来ていない。
他の登場人物から「アガルタに来た理由はなんだ?」と
問われても曖昧にしている印象を受けた。
そこまでして、無理にアガルタに行く必要はないと感じた。

毎度恒例の尺稼ぎシーンも発見できた。新海氏の伝統行事そのものだ。
舞台背景が現代ではないため、駅や都市は滅多に出てこなかったが
たくさんの昆虫達が顔をのぞかせてくれた。
ただ、他の新海作品と比較すると頻度は少ないように
感じられたので激昂するほどではなかった。

これは私だけかもしれないが、魅力的だなと感じる
悪役がいないような気がする。
ラピュタで例えるならば、ムスカのような存在だ。
彼は最初から最後まで一貫して悪役を貫いている。
また、名言も残しておりインパクトの強いキャラクターでもある。

星を追う子どもでは、そういった存在が出てこないため
惹かれる部分が少ない。一部のモブキャラや夷族と呼ばれる
種族がその役割を務めていたようだが、ボスの様な存在が
見当たらないため魅力に欠けてしまう。

終盤で登場した、シャクナ・ヴィマーナがラスボスに
該当するのだろうが、ラスボスにしては出番が少ないし
味気ないのではないかと思ってしまった。

ドラゴンボールで例えると神龍が闇落ちした感じだ。
出番がやって来ると、「さあ、願いをいえ どんな願いも
ひとつだけかなえてやろう」といった佇まいで
ガン見してくるのだ。言葉が通じない種族でもあり
対象者には対価を求めるため、神龍よりは恐怖感を覚えやすい。
ただ、仕事を終えると、「ではさらばだ」とでも言ったかのように
何事もなく飛び去ってしまうのだ。レビューでも書かないと
記憶に残らないモンスターになりそうな気がする。

もういっその事、あの先生をムスカのような悪役として描いた方が
面白かったのではないだろうか。その方が、自分としては盛り上がる。

個人的には、ジブリ作品の登竜門として見れば
そこそこ楽しめたように感じた。只、ジブリに精通している方が
これを見るとがっかりする可能性が非常に高い。
非常に似通った部分が多いため、仕方ないことだが。
あくまでも、新海作品なので他の新海作品と比較しながらの方が
大きなストレスを感じることなく見れるだろう。良作だと思う。

投稿 : 2018/01/20
閲覧 : 347
サンキュー:

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