お茶 さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
音楽のジャンルで言えばインストゥルメンタルっぽい
少女終末旅行。
面白い作風ですね。ほとんど誰もいなくなってしまったような荒廃した、都市の中を女の子2人だけで、ただ進む、ただただ進むさすらいアニメ。
なんか最近思うことがありまして、アニメというジャンルが大衆化しつつある今、アニメでも色々なジャンルが形成され、どんどん新しいアニメスタイルが増えているな、と感じることが多くなりました。本作は音楽のジャンルで言うと、サントラとかインストみたいなジャンルに勝手ながら感じます。
各話タイトルを観ていくと第2話「風呂」「日記」「洗濯」とかで、荒廃した都市の遺産に家があって、風呂があって、風呂っていいよなーとか、昔の人はこんな感じで暮らしてたのかーとか、いいながら、私たちの日常の中で当たり前なものや事柄を、感慨深く女の子が追憶していくんですよ。彼女たちが知っている数少ない情報の中で、音楽っていうもんは、こうだったんだ。とか、でも、こーでもあるよね、みたいな事を考証する会話。
先程、私はインストみたいなジャンルと書きましたが、すごい印象派というか情緒的な気分になるんですよ。セリフ数、登場人物、その他、ほとんどが極力排除された、その残り香。それが何かインスト的なサントラ的な独特の雰囲気をもたらす。本作は刺激は少ないですが、アニメに飽きた時や、構えず観たい時にお勧めのアニメです。
本作は通なアニメに思えてならない。アニメが質が上がる一方で視聴者の目も肥えてくる。そんなところを意識した作品な気もしますし、単純に本作がもたらす雰囲気は一見の価値はあると思いますし、2人の会話は普段忘れてしまった何かを、思い起こさせてくれるハズ。