「EVIL OR LIVE(TVアニメ動画)」

総合得点
55.0
感想・評価
44
棚に入れた
161
ランキング
7606
★★★☆☆ 2.7 (44)
物語
2.6
作画
2.6
声優
2.9
音楽
2.8
キャラ
2.6

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

監獄学園で孤高にのし上がる中国アニメ。暴力的だが力を感じる良きドラマでした。

強制収容施設のような学園で、主人公が理不尽に立ち向かっていく学園物です。
日本作品じゃ中々お目にかかれないような理不尽、したたかに成長していく主人公、次第に判明していくキャラドラマが見所。
…2018年1月現在、中国アニメでは霊剣山2期と並び、これが一番面白かったです。
(作風はまるで違うけれど、「ようこそ実力至上主義の教室へ」よりこちらの方が面白い)

{netabare}『物語』
ネット依存症云々は導入に過ぎず、監獄や軍隊のような強制収容施設に隔離されてしまった主人公・ヒビキが、最初はヘタレだが学園の洗礼を受けて次第に成長していく、ある意味、不良学園ドラマ。
いきなりトンデモ環境に放り込まれる作品は日本にも多々あれど、本作はかなり生々しいです。
…中国では実際ありそう…とか思った(流石に無い、と思いたい)
とにかく学園の理不尽と暴力が凄まじい。現代日本人の常識だと嫌悪感やむなしか。

ドラマは主に主人公・ヒビキの成長とサクセスストーリー。
絵にかいたようなヘタレ…と思いきや、芯が強く曲がった事には絶対に屈しないヒビキが、好きな女の子・シオリ(ヒロイン)を救う為に学園でのし上がっていく。
好きな子の為がんばる、サクセスストーリーは王道で共感出来る。
序盤こそヘタレ過ぎてイマイチながら、3話辺りから早くも面白味が出てくる。
学園の勢力争いの渦中で、武力は強く無くても強かに立ち回りのし上がっていくヒビキの活躍に少しワクワクした。
ケンカ最強でなくてもクレバーに立ち回り、理不尽な強制収容施設で頭角を現すのは見事で、こういうタイプのヒーローもアリだなぁ。と。
(ケンカの戦略性など、やり方はちょこっとだけ、喧嘩商売っぽい)
不愉快な理不尽もヒビキがある意味無双してくれるので、次第に痛快になっていく。

ヒロインのシオリ、ライバルのシン、鬼教官シアンらそれぞれのドラマが判明し交差していく中盤以降、ドラマ的にも面白さが加速。
特にシアン総教官の過去トラウマ(戦場で自分が逃げたせいで尊敬する戦友戦死)、学園の悪との葛藤…からの、ヒビキに味方してくれる流れは熱い。
序盤の理不尽な暴力の権化→終盤のヒビキ「ご指導ありがとうございました!」はちょっぴり感動的師弟愛。
ラストは急展開ではあるも各ドラマ良く纏まっており、1クールアニメとしての完成度は中々でした。

…主人公・ヒビキが終始孤独、シオリとのラブコメに結局ならず、シンとの対決も中盤以降シンが姿を消す、シアン教官の事情とも特に交わらない等、終始孤独にストイックに物語が進む感じなのは、日本作品にはあまり無い作風と思ったです。
霊剣山でも感じた、「中国人の個人主義」。
日本作品なら学園で仲間集めてそう(少年チャンピオンで大団円が近い「囚人リク」みたいな)、でもそういう展開は無縁。
日本作品なら友情・努力・勝利。
良くも悪くも「友情」を重視しないのが中国的という印象です。
孤高。それもまた中国作品の魅力…かも。私的に、そこは結構お気に入り。

総じて、理不尽な学園でのサクセスストーリーとしてかなり面白かったです。
現代日本ではあり得ないレベルの理不尽は嫌悪感ありますが、その状況でのしあがるのも痛快。
日本作品には中々無いタイプの面白さがありました。
モブの小人(こびとではなく「しょうじん」つまらない人間)たちの描写や、容赦なく妥協せず自己主張し、力関係を分からせる姿勢、リアリズム。
小人に甘くない姿勢は霊剣山2期に通じる。
本作の方が、実力至上主義の在り方に相応しかったです。


…(中国当局から見て?)こういう作品は教育的・広報的に良さげ?
我が国はネットやマスコミがちゃんと社会正義執行してくれる、自浄作用ある先進国なんだぞ!?
うがった見方かもですが、終盤展開に、言外にそんな主張も感じる。


『作画』
まずまず。そう悪くは無いのでは。
ケンカシーンは作風的に地味ながら、クレバーな戦い方は伝わるです。

『声優』
ヒビキは植田慎一郎さん、惡の華の春日高男以来の主人公。
シンの内山昂輝さん、シオリの安済知佳さん等々。
MVPはシアン教官の間宮康弘さん。渋い好演でしたが…ご本人は結構お若い。


『音楽』
主題歌はまぁまぁ(な気がする)


『キャラ』
典型的な現代っ子的ヘタレに加えて中国作品の主人公らしい特有のユーモアセンス?の持ち主、ヒビキ。
主人公に相応しい清廉潔白な好漢、序盤は甘えた理想主義…だが実力が伴っていくに従い、カッコ良さが増していく。
孤高のダークヒーロー、芯は潔白だが決して聖人君子ではない立ち回りが良かったです。
冷徹さ増す後半も状況故仕方が無いし、終始ヒロイン救う目的意識あるのも良い。

終始デレない悲劇のヒロイン・シオリ、その仲間たちも曲者揃い。
シオリのヒロイン力は高い、そこから可愛げに繋がらない感じ。

ライバルのシンは実力者だが中盤以降は口ほどには本領発揮できなかった印象。
彼の復讐譚も、ヒビキのドラマとはあんまり関りが無い。

シアン総教官の魅力高し。
本作キャラで一番人情味があった。

弱虫だがヒビキの影響で少し勇気を見せた少年…
日本作品だったら彼は重要な仲間になりそう、ヒビキの眼中に彼が全く無いのは徹底しているなぁ…。{/netabare}

投稿 : 2018/02/04
閲覧 : 469
サンキュー:

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