四文字屋 さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
「潔いのと投げやりなのは似ているけれど違うんだ」「自分の弱さを克服せずに他人に背負わせるというのなら僕の答えはただひとつ。ふざけるな!」という二階堂君の言葉が強く響いて、
二階堂君の生きている証(あかし)が刻まれるからこそ、
物語のいろと深みが素晴らしい。
作品の本筋は、孤独な少年プロ棋士・桐山君の戦いと成長の物語なんだけど、
本筋から外れて何週にも亘って展開されてきた
中学校でのいじめとその顛末が、
あまりにもリアルに描かれていて、
見ていて心が痛くなってしまって、
吐き出したい気持ちでレビューを書いている。
辛い苦しい辛い苦しい辛い苦しい辛い苦しい・・・・・・・
でも
{netabare}小さな勇者が最後まで頑張りとおしたことで、
孤独な戦士はまた一歩進める
強くあることの意味を知る
いちばんいけないのは、もちろんいじめをして来た女子生徒グループ。
でもダメなのは、「こいつら」じゃない。
いちばんダメなのがクラス主任のおばば教師。
事なかれ主義ってのは「無事」を重んじる、一種の方便で
ときには重宝だが、
このおばちゃんは、ただ事実から逃げて
耳を塞いで自分の殻に閉じ籠っている敗者。
そして二番目にだめなのが、なんの行動力もなく
被害者であるヒナにまで、かばって貰ってないと
立っていることさえできないお姉ちゃんと、
自分がターゲットにされるのが怖くて、
いじめを無視し続けたクラスの皆。
桐山君は頑張った。
きっと二階堂君の言葉や、新人王決勝戦の相手の姿があったから。
自分の出来る範囲での最善を尽くし、
それでも自分には何も出来ていない、と、
悩みもがき苦しむ姿は、きっとヒナちゃんにも
大きな励みになったに違いない。
そして男気あふれる学年主任や、桐山君の学校の先生たち。
ながい暗雲を振り払って、ようやく陽射しが差し込む。
ヒナちゃんの安らかに眠りこける姿。
勇者として一歩もひくことなく、正々堂々と戦い続けた闘士の、
ようやく得た安寧のひととき。
ヒナちゃんよく頑張ったね。
ひるんでも引かず、頑張りとおしたね。
{/netabare}
本筋とは違う部分ではあるんだけど、
ここが第2期三月のライオンの、
大事なポイントだったんだ。