「宇宙よりも遠い場所(TVアニメ動画)」

総合得点
93.8
感想・評価
2803
棚に入れた
9760
ランキング
12
★★★★★ 4.2 (2803)
物語
4.3
作画
4.1
声優
4.2
音楽
4.1
キャラ
4.2

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ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

宇宙よりも遠い場所を目指し、そこで掴んだ物語…思いと輝きを表した青春ストーリーの傑作

【2話まで】
なんの取り柄もない、ただし、なにかをやり遂げたいと思っている普通の女子高生が主人公。2話まで視聴して、これは好みの青春ものという感じになっています。
展開も話のもって行き方もけっこう大雑把で雑なんだけど、キャラが生き生きしているし、青春もの独特のキラキラ感とスピード感があって、中の人たちの安心感もあります。
南極を目指すなんて、あまりないストーリー。最後までじっくり見ていきたいです。

【5話まで】
この回までが「出発編」ということなんでしょうか。それにしても、ここまでは当初の予想以上に面白いです。展開のスピード感も青春のキラキラ感も満点と良いと言いたいくらい。4人の個性もそれぞれ特徴があって、会話もとても良いです。
ウザったいのに真っ直ぐで明るいマリ。頑固で信念を曲げない熱い性格だけど、黒髪ロングで長身の子の概念(ツンデレだったり、天才肌だったり、リーダー的な要素だったり)を無視するポンコツな報瀬。遊んでいそうだけど実はもっともしっかりしている日向。オンオフがハッキリしているプロなんだけど、何かが足りない結月。この4人のバランスがとても良いです。いや、バラバラだからこそ纏まるという見本みたいな感じです。

5話の出発にかかる話は良かったです。{netabare}全校生徒の前で挨拶の時のグータッチ。マキとめぐみの本音の吐露。めぐみの話はそういう伏線があったとは…言われてみたらという感じで、うまい作りだと感心です。まとめ方もグッと来るような青春ものの良さが出ていたと思います。{/netabare}

出国後の話に写りますが、本当に展開が楽しみです。

【10話まで】
本当に南極に来てしまいました。まぁ、この物語はここに来ないと話にならないのだけど…。
ここに到着するまでの行程の話も面白かったとしか言いようがありません。
{netabare}シンガポールでの日向のパスポート紛失事件(か?)、出航の話、強烈な船酔い、到着、昭和基地はじめの一歩。{/netabare}内容に無駄がない、そしてテンポも良い。なので、すんなり溶け込めるし、あっという間に終わってしまう感覚です。そして、毎回毎回、笑ってしまう場面と、なんだか分からないうるっとしてしまう場面を繰り返す感じです。 {netabare}特にシンガポールでの話は特筆もの。とことん笑わせておいて、泣かせて、そしてオチまできれいにつけて。この件で4人が本当の意味で友達になって行った感じがするすばらしい話だと思います。{/netabare}

出航から「大人たち」と絡むことが多くなってきました。特に報瀬は藤堂と因縁があり、物語のひとつの軸として展開してきただけに、避けて通ることができない内容でした。うまくまとめたなという感じです。まだありそうだけど…
結月の友達の話は重い話をこのアニメらしくきれいにまとめた良い話だったと思います。
ここにきて、マリの存在がいかにも主人公ぽく描かれてきています。この子の行動や言葉が3人に響き、前に進んでいく感じです。

なんと言っても到着したときの叫び「ざまぁーみろ!」これがこの作品らしくて最高の言葉だったと思います。
あと数話。どんな展開が待っているのでしょう。

【最終回を終えて】
「ざまぁーみろ!」で始まった南極の日々。南極あるあるとでも言うべき日常と、南極まで抱えてきた3人の心の底の問題を乗り越えていく話が織り込まれました。結月の友達とは何か、日向の抱えていた闇、報瀬の心の底。3話ともうまく展開し、マリも含めた4人で乗り越えていきました。そしてバラバラに始まった4人がかけがえのない友達になっていく過程は青春ものとしてすばらしいと思います。

最終回まで淀みなく展開して見せていくストーリーは飽きることなく、終わったあとの爽やかな気持ちにさせてくれました。4人のドタバタ感にクスクスと笑い、ぶつかっても理解しあおうとする繋がりにグッとし、問題の解決シーンにホロリとさせられ、これほど感情揺さぶられる青春ストーリーはなかなかありません。青臭いのがかえって青春ものの醍醐味を感じさせてくれました。

南極ではマリ中心の回がなかったのも作りとして良かった気がします。マリの課題は「何かしたい」だったんですよね。南極についた瞬間に課題は解決しました。それに、マリは3人とは別の「友達」の問題を出発時点で自分で解決したました。でも{netabare}最終回のめぐっちゃんの笑顔の画像はやられました。あれはズルい…。{/netabare}
マリは3人の潤滑油。詰まったときにポロリと弾き出す言葉や、ずいっと入り込んでくる気持ちがとても主人公らしいなという感じでした。

個々に話をまとめたり、感想述べたりすると止まらなくなりそうです。それだけ面白かったということです。サイドストーリーとか、その後の話とか、いろいろ展開が見たいなという感じです。

背景部隊、大変だったろうな…。でも本当に綺麗でした。南極大陸、空、色使いが本当に上手。中の人たちは安心感抜群。

いわゆる「青春グラフィティ」として傑作の部類にはいる作品だと思います。青春もの好きだという人は是非見てもらいたい、見て損はない作品です。

投稿 : 2018/03/27
閲覧 : 429
サンキュー:

70

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