ストーンN さんの感想・評価
4.9
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
海と地上、美しく切ない恋愛物語...
まず、この作品を見始めて思ったこと...
それはとにかく「 美しい 」
主人公達が海の中に暮らしているということもあり、当然海の描写が多くなるわけですが、
海の中で優雅に泳ぐ魚の群れ、浜辺から見下ろす海のキラメキ、さらにはOPやEDに至るまでほんとうに綺麗で美しいです。作画の素晴らしさだけで感動してしまいます(><)
美術スタッフの皆さんには感謝です!
そして内容ですが、この作品は複雑な恋愛関係とそれに向き合う人のさまざまな苦悩や心情を繊細に描いています。
登場人物が多く、その中でも海の人間と地上の人間の違いが絡んでいるため、見ていて惹き込まれること間違いないです。
ここからはネタバレありで語っていきます。
{netabare}
1クール目(1話〜13話)
【内容】
14歳の主人公 光、まなか、ちさき、要の「しおししお(海村)」で暮らす仲良し4人組と、地上の世界で暮らす海に強く憧れている少年 紡、さらには近くの小学校に通う5歳年下の女の子 美海、さゆの2人組が、この世界の伝統的行事である「おふねひき」を行うため、対立する海と地上の世界の人々の関係を修繕しようと奮闘する物語が中心になっています。
【感想】
いやぁ、すごく面白い・・・( ゚д゚)
中心は確かに「おふねひき」だが、この時点で既に結構恋愛絡みでドロドロした感じになっています
個人的には、ずっとまなかと光がくっついて欲しいと強く願いながら見ていました。
よく「凪あすの前半はつまらない」などと言う人がいるが、全くそんなことはない。
異常気象を乗り切るために「冬眠」することになった海村の住人達...
それに立ち向かう(?)光達の頑張る姿...
こういった緊迫感ある感じもとても面白いです。
美しい描写も相俟ってほんとうに惹き込まれます。
1話1話がよく出来ていて、各登場人物にものすごく感情移入できます。
2クール目(14話~26話)
【内容】
舞台は前半の5年後の「おしおおし(地上)」
「おふねひき」によって発生した渦潮に引きずり込まれたまなかを救うために海に飛び込んだ光、要が陸に戻って来ないまま時が経ち、ちさきと紡は19歳、美海とさゆは14歳となる。
しかし、順番に地上に戻ってきた光、要、まなかは14歳のまま。美海達と同い年になる。
彼女たちも含め、この恋愛物語はさらに複雑な展開となっていきます。
【感想】
なんだよこの展開!Σ(゚д゚;)
面白すぎるだろ!!
というのが14話の感想でした。
13話最後の予告からは想像もできませんでした。
かなり鳥肌が立ちました...
光達が、今まで子供に思っていた美海やさゆと同い年になるという設定がとても良い!
まさに2クール目から本気出して来たという感じです。(1クール目も面白いですが)
14歳になった美海がいろいろ可愛すぎます。
「凪のあすから」で一番好きなキャラは?
と聞かれたら、まず間違いなく美海です。
2クール目は美海が主人公といってもいいのではないかというくらい美海を推してくるせいで、美海の思いが成就して欲しいと思うようになってしまったことが後々の後悔...(まあそれはそれでよかったが)
しばらくしてまなかも戻ってくる訳ですが、そのまなかは「人を好きになる感情」を失っている。
光はまなかのその感情を取り戻すために奮闘するが、美海はまなかが戻ってきて嬉しいのか、「好きになる感情」を取り戻して嬉しいのか、複雑な気持ち...
そんな美海の姿が切なすぎます...
また、ちさき、紡、要、さゆの恋愛も非常に切ないです...
どうして都合よく両想いにならないのだろう...
思わずそうツッコみたくなります...
さゆから要への告白は感動しました(><)
「悲劇のヒロインぶるな!」
そして物語も終盤。
生贄となってしまった美海はお女子様の墓場に閉じ込められるのだが、なんとか光は美海を助け出し、光は美海の想いにようやく気づく...
前半では光とまなかがくっついて欲しいと思っておきながら、美海好きとして、美海ともくっついて欲しいという個人的な願いが錯綜して、ほんとうに胸が苦しかった(>_<)
最終的には光はまなかと両想いだった訳ですから、光とまなかはこれまでとは少し違う、お互いを異性として見る特別な関係になり、美海の初恋は成就せず...
もちろん光とまなかはくっつけたのでハッピーエンドだったのですが、美海があまりにも切なかったというのが、正直な感想です。
(美海が光に「まなかが好きだ」と何度も言わせて、その後1人で泣いてるシーンとかもう...)
光...お願いだから美海を救ってあげてくれ...
でも、美海も割り切ってる感じだったし、光がまなかとくっつけたということで、よかったと思っています。
【全体を通しての感想】
個人的な意見が多く、かなり主観的なものになってしまいましたが、作品には大満足しています。
ここまで深く感情移入して、さまざまな思いにさせてくれた作品は他にほぼありません。
恋愛とファンタジーをうまく融合した最高の作品だと思っています。
【その他】
「凪のあすから」はOP、EDもたいへん素晴らしいです。
1クール目のOP曲「lull 〜そして僕らは〜」はとても楽しくワクワクとした雰囲気を、ED曲「アクアテラリウム」は海の中の静かで落ち着いた雰囲気を醸し出し、前半の物語のイメージにとてもマッチしています。
2クール目のOP曲「ebb and flow」(個人的に一番好き)はとても切なく、まさに美海やちさきの心情を描いたような曲であり、ED曲の「三つ葉の結びめ」も、凪あすのイメージにマッチした良い曲です。
また、OPやEDの入り方も素晴らしく、音楽も含めて最高の作品だなと感じました。
やはり良いアニメには良い音楽もつきものだと強く思いました。{/netabare}
【さいごに】
「凪のあすから」という作品に興味を持っている方は是非一度見てみてください。
絶対に後悔はしません。恋愛モノが好きな人には特にオススメします。