Progress さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ヴァイオレット・エヴァーガーデン レビュー
なぜヴァイオレットは無感情だったのでしょうか。
兵士であったからか、では、無感情なヴァイオレットをギルベルト少佐はどう見たか。具体的には少佐の瞳と同じ色の宝石を見つけたときのヴァイオレットを見る少佐の目です。
彼女を見る少佐の目は、悲しそうな目をしていました。
悲しみは自分の中にある感情です。
少佐の心には、深い傷を負ったような苦しみがあった。
愛の感情が芽生えたヴァイオレットを見たときに、彼は自分の心の中に生まれた苦しみから悲しい目をしたのです。
哀れみではなく、自分への絶望、ヴァイオレットが少佐に恋をすることが彼にとっては絶望でした。
少佐は彼女に攻撃命令を出す。その時だけは人形として扱う事に努めていた。彼女に人として様々なことを教えながらも、戦地に赴かせる。
人と兵器、矛盾を抱えながら彼女と接し、くすぶり続けた罪悪感を持っていた。彼女の変化によって、とうとう彼女を道具から、人にしてしまった。
知らなければ、無感情でいれば、彼女はつらい感情に悩まされることもなかったのに。彼女は愛の感情が芽生える人であったという、今まであえて冷徹に道具として使っていた行為への罪悪感が、彼に悲しい目をさせたのかもしれません。
ですからギルベルト少佐は、彼女を人にしてしまった責任を取るためにヴァイオレットに言葉を残しました。
「君には感情がある。私と同じ心があるだろ!」
「無いと言うのなら、無いと言うのなら、その顔は何だ!」
「そんな顔が出来るんじゃないか!」
「生きるんだ、ヴァイオレット。君は生きて、自由になりなさい」
「心から、愛してる」
無感情な人間が心を取り戻す話として、社会で擦れて、大人になろうと、感情を殺して殺して、兵士みたいになった人に、愛を取り戻して、人として生きる事を伝えてくれるのだと思います。
{netabare}
原作は未読ですが、面白そうですね。
1話
{netabare}
「それがわかるから自動手記人形サービスになるんだけどね」ってクラウディア(子安さん)が言ってたけど、
「それ」とは、男性が手紙の相手の事を「愛している」という事をかな。
で、その手紙の言葉にヴァイオレットちゃんの回想をはさむことで、
ヴァイオレットちゃんが少佐さんのことを愛していたっていう表現か。
で、話を戻して愛してるがわかるから自動手記人形サービスになる、ということだけど、
これは人の感情を人の言葉や態度の中から読み取ることができる人間が、
代筆になるということかな。
それがまだヴァイオレットちゃんにはわからない・・・っていうのは、
エヴァーガーデン家のご婦人の気持ちを全然汲み取らない辺りでわかりやすく提示してるよね。
代筆の人が依頼者の感情を汲み取るという役割を持っているというのははじめて聞いたけど、
いわばその人の中でまだ言葉に出来ないもやもやとした感情に言葉を与えたりとか、
恥ずかしいから愛してるなんて直接言えない書けない人の為の自動手記人形サービスなのかな?
ヴァイオレットちゃんが、人が人に手紙を送るという行為、
誰かへの思いを手紙に込めて送るという行為を通して、
人の感情に触れて人の感情を考えて、その感情に言葉を与えて、
そこからヴァイオレット自身も、感情を知るという話・・・なのですかね?
直接人に思いを伝えるというのではなく、手紙という一手間踏んだ行為というのに、
どれだけの意味を持たせられるでしょうか?
誰かに思いを伝えたいけど、その人は遠くにいたりとか、事情があって会えないとか、
自分では表現しきれない思いに他人(代筆)が言葉を与えて上げるとか、
手紙だからこそ伝わる思い、手紙という制限がある中にどれだけ人の思いを
的確に、そして感情的に訴えるような文章を書くことができるか、
そういった部分はこの作品に期待してみてみたいですね。
一話の意味は愛してるってどういうこと?でしょうかね。
恐らく、依頼者の方は愛してるって面と向かって言えない相手に手紙を送ろうとしてるだけで、
愛してるって言葉は知ってるんだろうけど、いえないんだよね。
代筆の人は、男性が代筆を頼んだ理由を汲み取ったのか、
素直じゃない男性にやきもきしたのか知らないけど、
男性が相手を愛していることをその人の話から見抜いて
他人の感情に「愛してる」って言う言葉をさっと与えるってとても勇気が要るんじゃないかな。
ヴァイオレットちゃんが愛してるをわかった理由を知りたいと思ったのは
単にわかるのが凄いってだけじゃなくて、
自分への投げかけがあったんだろうけど、そこはまた考えて見てみます。
人の思いに言葉を与えるって役割が私に響いたので、フライングレビューです。あ、ホントに視聴中もヴァイオレットちゃんはロボットなんだなって思ってみてました。半分ぐらい見て、あ、人の話か・・・って気付きましたよ。
でもヴァイオレットちゃんは感情をまだあまり知らないから、ロボットか子供というイメージはあながち間違ってないかも?
{/netabare}
2話
{netabare}
「特定の感情を表す言葉だと理解はしているのですが。少佐が…なぜ私に向けて突然その言葉を口にしたのか、知りたいのです…例え向いていなくても。私はこの仕事を…続けたいのです」
愛してるを知りたいというよりは少佐を知りたいという部分が大切みたいですね。
{/netabare}
3話
{netabare}
何故だか分からないけど直接人に伝えられない思い。
その人の事にずっと言いたい気持ちがあるのだけれど、言えない。
気持ちが氾濫して、何も伝えられなくなってしまう。
自分の感情に言葉を与えられない。
ただ生きているだけで嬉しい。
何処かに行ってしまいそうな兄に、そう伝えたい。
幼いころから慕ってきた兄への気持ちは、なんだろう。
その感情に言葉を与えるのも拒否したいくらいに、
表現不可能で身近にあって込み上げる不可侵な感情。
「例えようのないこの思いが」(OP歌詞)
ただ生きているだけで嬉しい。
この言葉に妹の兄への思いが詰まっている。
兄を思うと、涙が出る。自分にはどうしようもない罪悪感を抱える兄の苦しむ姿を思い浮かべ、兄の心にもっと近づきたいと思う。
あなたが、ただ生きているだけでいい。それだけで十分私は幸せだ。
な大切な人への気持ち。いなくなったら悲しくなる人への気持ち。
この言葉に兄を見てきた妹の、兄に対する、嬉しい気持ちも、悲しい気持ちも、何もかもが詰まってる。
「時に手紙は…たくさんの美しい言葉を並べるより、一言だけで大切な気持ちを伝えることが出来るのです」
だから私も、初めて、こんなにも、伝えられない思いが、溢れる。
毛色を変えるために短文でいつもの調子でかきますが、
ヴァイオレットちゃんがその言葉を手紙にチョイスできたのはなぜだろう?
ヴァイオレットちゃんの前で泣きながらに語った妹ちゃん。
彼女が泣いていたので、そこが重要だとおもったから、というような話は作りたくはないかな。
そもそもヴァイオレットちゃんは、なぜ人が泣くのかも、まだわからないんじゃないかな。
少なくとも、ヴァイオレットちゃんは、
妹ちゃんの話を聞いて、手紙で伝えるべき気持ちがそこにある事を感じ取っています。
そう、気持ちを。報告書のように、社会的に、物事を進めるための情報しか伝えられない、
言葉から汲み取れなかったヴァイオレットちゃんが。
他人が伝えるたい思いを伝書鳩のごとく宛先へ送ることまでして、気持ちを伝えることに意味を感じていた。
ヴァイオレットちゃんの中でも、「これは、報告、課題…いえ手紙です」といったことからも、
伝えるべき思いが、この手紙の中の言葉にあると感じ取っていた。
彼女の主観によって、あの言葉は汲み取られた。
だからこそ、彼女の手紙は意味をもつ。
そんな話であってほしいと思いますね。
{/netabare}
4話
{netabare}
まあ流れで各話レビューを書くことにしたんですがね。
今回は感動回という感じでは無かったですね。
リアリティのある、地元に帰郷した時の母親との喧嘩なんて見たくない・・・w
今回気になったのはあからさまに察してね的な表現が入っているのは気になりましたね。
視聴者に察してねという表現が、アイリスが地元の駅で泥を靴に被ってしまうところ。
人物と人物の察しはヴァイオレットにアイリスが人の心がわからないのね、と察することを求めた発言。
「察する」という観点からすると、親は全く子の事を察しないというのもありますね。
アイリスがしたいことや今の行き方を察せずに間違ってしまう親。
親は都会へ行き成長した子の気持ちを察することはできなくても、子が喜ぶ為に何かしたいとは思っている。
自信の名前を冠する花の花束をもらうというのは、自信のアイデンティティの源を感じれる、それこそが帰郷ということなのかも。
察するということは相手に配慮するということです。
気をおく。
それは親にされて本当に嬉しいことでしょうか?
気を配らないことでアイリスの親は子供の反感を買ってしまったけど、
気を置いた親との関係というのもそれは悲劇ですね。
今回は「花」による人物のアイデンティティの描写があったので、花言葉を調べました。
アイリス・・・「恋のメッセージ」「吉報」
ヴァイオレットは紫のスミレだと思われます。
スミレ・・・「貞節」「愛」 {/netabare}
{/netabare}