Marsa さんの感想・評価
3.4
物語 : 2.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 2.5
状態:観終わった
卓越した映像美と見事に調和した音楽が魅力の作品。
2004年に上映された新海監督2作目の劇場用アニメ。
私が観た新海監督作品は「君の名は。」、「言の葉の庭」、
「秒速5センチメール」、「星を追う子ども」に続き、
これが5作目。2004年と結構古い作品で、前から映像美は
すごかったのかな? というのは視聴の動機です。
卓越した映像美とそれに見事に調和された音楽は非常に
美しいものでしたが、「君の名は。」とかぶった感を
感じたかな。それでも2004年でこれはすごいなと驚く
ばかりでした。
しかし作品としてストーリーはちょっと。。。
設定は面白いかなと思ったんですけど。。。
らしいと言えばらしいのですが。。。
(酷評になるので隠します。)
{netabare}
•以前から人と人との関わりの動機が希薄、ここでは
主人公が一途な性格とは言え、東京に逃げる事までするかな?
そこまでするだけの動機、その描写がない。
•ヒロインが主人公に惹かれる理由も、いつから惹かれていった
のか、これも理由と描写がない。
•日本が南北分断され、敵国の統治下である北海道の塔に、
敵国と緊張状態の中、飛行機で塔まで飛びたいってどんな心理?
•ヒロインが突然いなくなって、飛行機を作らなくなるって
親友との友情はどうなるの? さらに塔が見えなくなる東京の
高校に入学、つまりは逃げるって。。。なのに、彼女が
引いていたバイオリンを買って、引きあ始めるとか。。。
(この時点ではヒロインと夢でそれほど繋がってないと
思うのですが)
•何故、親友は主人公に銃口を向けた?そこまでの事を主人公は
したのでしょうか?
•岡部が主人公が飛行機で眠ったヒロインを乗せて塔に向かう事
を許した理由が、岡部の過去の経緯(写真が関係、写っていた
女性は妻?)と外殻弾を打つだけでは動機が薄い。
•最後にヒロインを塔まで連れていけば目覚めて、塔周囲の
位相空間が拡大するのが分かってて、塔に行って、北海道
ほぼ全域が壊滅。なんて事をすのでしょうかw
と、私にとってはストーリーに?がかなり出ました。
{/netabare}
と、言うことで、この作品においてストーリーは、映像と音楽を
際立たせることと、内容を曖昧にしといて上映後、物議を醸し出させる
為のデバイスと言った印象で、ストーリーを楽しみたい系の私には
残念感満載という結果となりました。
しかし、この手法が悪いかと言えば、そうでもないのかもしれない
かな。
自信のある映像とそれに調和のとれた音楽を
際立たせるに、当時では正解だったかもしれませんし、商業的に
物議を醸し出させることは成功とも言えなくもないかな。
総じて、私には合わなかった作品で、ストーリー重視の方には
おススメできませんが、「君の名は。」よりもゆったりとした
落ち着いた音楽とそれにマッチした映像美を楽しみたい方には
おススメです。