DEIMOS さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
湯浅版デビルマン、世界へ発進!
今最も勢いのあるアニメ監督、湯浅政明が手がけるデビルマンが昨日1月5日よりNetflixで全世界同時配信(全10話)を開始。
ストーリーの大筋は、永井原作に忠実。私も原作ファンの一人だが、数あるリメイク・スピンオフ作品(CG劇場版、アモン、デビルマンレディ、ネオデビルマン、サーガ等)の中で唯一感動できる作品となった。原作を再現するだけでなく、設定は現代風にアレンジし、独自の演出を数多く加えている。特に、エロ、グロ、バイオレンスという本作の特徴をギリギリまで先鋭化することに挑戦。この新鮮味と原作再現のバランスが絶妙であり、素直な感想は、「圧巻」の一言。制作側が原作の「本質」を理解しているが故の芸当だろう。
なお、「アニメ版のデビルマン」が劇中劇として登場。これを客観的に捉えているのも面白い。永井原作(漫画版=本作のメインストーリー)とアニメ版デビルマンは別物であると示唆。
全話同時配信のため、湯浅政明自身が絵コンテを手がけたのは、1、2、9、10話(要確認)だが、この部分が突出して面白い。絵作りにおいて、彼の前衛的な作風が際立つ。中盤は、やや単調になるが、一人原画を担当した霜山朋久、小島崇史や、スペースダンディを思い出すファニーなデーモン造形を担当した押山清高など、優秀なスタッフの活躍が光り、飽きることはなかった。
最後に、「世界配信」を意識した演出にも注目したい。作中で、外国語(主に英語)が数多く飛び交うが、日本語字幕がついていない部分も多い。また、ミキの父親は外国人に。Netflixというチャネルを使ったこともあり、世界の人々が見ることを前提にして作られたのだろう。世界が湯浅版デビルマンをどう受け止めるのか。ジャパニメーションの新境地を切り開いてくれることを期待して止まない。