みゅ さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
凄いものを見た
まだ1周しかしていませんが、深く考えさせられる物語でした。
私は割とアニメ映画小説、どんな媒体、ジャンルに寄らず作品に込められたテーマを感じて楽しむのが好きで、この作品にはかなり期待して臨みました。
自分の価値観は割と固まってきてるな、と感じていた今日この頃でしたが、また自分の価値観が揺さぶられるような作品でした。
込められたテーマが膨大すぎて、とても語りつくせませんが、まだ理解が及んでない部分が多く感じられます。
そのうち2周目に臨みたいと思います。
利己的な愛、無償の愛、家族の愛、カルト的な愛…
善悪や、各々の幸せ。
己の深層心理に根付いていたこれらを掬い上げられて、まじまじと見せつけられたような感覚に襲われました。
この現代社会だからこそ、私達は今一度よく考えなくてはならないのかも知れません。
理想と現実。
アニメという、ある意味人間の理想がそのまま反映された世界で、あえて現実の汚さを描いているのがこの作品の凄いところだと思います。
この作品に綺麗事は(ほとんど)存在しません。
現実の醜さを描いた作品は数多存在していますが、アニメ的な演出と相まって、それらとはまた一線を画したものになっていると思います。
{netabare}犯罪者の親の元に産まれてしまった子供は幸せになってはいけないのか。 {/netabare}
これはこの作品のテーマの1つですが、この作品ではこれを最も悲惨な現実として描かれています。
そこに小綺麗な理想論は存在しません。
結末は正直言って {netabare} 後味の良いものではありません。 {/netabare}
ですが、だからこそこの作品は私たちの心に強い印象を植え付けるのだと思います。
頭をフル回転させながら観ないとついていけない難解さがありましたが、この作品を「なんとなく」観てしまった方が居たら、それは勿体ないです。
作品に込められた教訓はしっかりと自分の中に昇華しなければ意味がありません。
「あ〜楽しかった!」という楽しみ方も良いですが、せめてこういったメッセージ性の強い作品は、是非頭を使いながら、作者の想いを感じながら観て欲しいと思います。
この作品をどのように受け止めるかは人によりけりだと思います。
あなたはこの作品を見て何を感じましたか。