シャベール大佐 さんの感想・評価
3.6
物語 : 2.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
世界観や雰囲気、綺麗な作画には魅力があるファンタジー作品
砂の海に浮かぶ巨大な船「泥クジラ」を舞台にしたファンタジー作品。全12話。
泥クジラは砂の海を漂流しており、そこで暮らす主人公たちは外の世界を知らないという設定。彼らが他の船と接触することで物語が動き出します。
観始めた最初の印象では、とても面白そうに感じたのですが、正直期待外れでした。
内容的には、人が死ぬような場面もたくさんあって、かなり過酷で優しくないストーリーが展開していきます。ただ、個人的には、キャラクターへの十分な共感が生まれないままに物語だけが進んでいくようで、観ていてもほとんど心は動かされませんでした。ちょっと厳しい表現をするならば、深みのある物語を作りたいがための上っ面だけの悲劇、という感じを受けました。観ている人を泣かせたり、感動させたりしたいのならば、必要だったのは物語の中で人を殺すことではなく、人物の一人一人をしっかり描くことだったように思います。
一方、良かった点は作画。砂の海に浮かぶ岩山のような泥クジラの外観や構造にはロマンがあって、それ自体に魅力がありますし、土や壁の質感なども良く描けていました。人物の作画も綺麗で、映像的には素晴らしかったです。
最後まで観終わって、内容には好感が持てない作品でした。世界観、雰囲気、綺麗な作画などにはかなり魅力があっただけに、ちょっと残念です。