Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
「クロウカード」 その封印が解かれるとき この世に災いが…。
この作品の原作は未読ですが、CLAMPさんの作品は妹が好きで一緒に単行本を読んでいたので良く存じ上げております。
また様々な作品がアニメ化されています。
私は「ちょびっツ」と「こばと。」しか視聴していませんが、どちらも胸に染み入る作品でした。
今回このシリーズの「クリアカード編」が2018年の冬アニメで放送されるのを知り、思い切って視聴に踏み切りました。
やっぱり「思い切って…」という気持ちは最初はゼロではありませんでした。
2期合わせて全70話に劇場版が2本…秋アニメを視聴しながら見る事になるので、気合を入れないと視聴できないと思っていたからです。
連載されていたのは、小中学生向け少女漫画雑誌の一つである「なかよし」なので、凡そオッサン層をターゲットにした作品でないことは重々承知しています。
それでも、クリアカード編見たさに視聴を始めた訳ですが…
いやぁ、流石CLAMPさんの作品…面白くて途中から視聴が止まらなくなってしまいました。
この物語の主人公は、小学4年生の木之本桜…
桜は明るくて優しくて素直な頑張り屋さんですが、ごく普通の可愛らしい女の子です。
ですが、ある時父親の書庫にあった「クロウカードの本」をうっかり開いてしまったところ、本の中で保管してあったクロウカードが散り散りになってしまったんです。
それと同時に、クロウカードの守護者であるケルベロスも封印から解き放たれて目を覚ましたのですが、散り散りになったカードを回収すべく、半ば強引に桜をカードキャプターに仕立て上げて物語が動いていきます。
この作品が放送されたのが1998年~1999年なので、今から約20年ほど前になります。
そのため作画には若干の古さを感じますが、桜の可愛らしさは今でも十分通用すると断言します。
仕草、態度、言動…そして容姿に至るまで、すべてが愛くるしさで出来ているみたい…
それに今のアニメの様な露骨な「あざとさ」があまり感じられないのも彼女の魅力だと思います。
そう、素のままの桜…ありのままの桜が十分可愛いんです。
べ、別に桜が小学校4年生だからべた褒めしている訳じゃないんだからねっ…
と一応断りも入れておきますけど…
桜は最初、クロウカード集めに乗り気じゃありませんでしたが、カード集めを通して様々なモノを見聞きし、色んな人との触れ合いを通して次第に主体的に動くようになるのですが、その展開も極めて自然…
何せクロウカード編だけでしっかり4クール分あるんです。
しっかり時間をかけて丁寧にキャラを掘り下げていく深みのある展開…
今の1クールアニメでは、残念ながらほぼお目にかかることはありません。
こうして桜のカード集めが進んでいく訳ですが、順風満帆な航海と思ったのも最初だけ…
クロウカードを作ったクロウ・リードの遠縁であるリ・シャオランが、リ・メイリンと共に、桜と対峙する立ち位置でカード集めに参戦してから、物語は俄然面白さを増していきます。
桜と対峙する、と言ってもリ・シャオランは桜の同級生で同じクラス…それに席も前後ろと常にお互い傍にいる間柄…
そしてカード集めは危険を伴うと共に、一筋縄ではなんともならない相手ばかり…
だから気が付くと、お互い連携しながら一緒にカード集めをするようになるんです。
お互いの実力を認め合ってこその展開だと思いますが、ここに至るまでの経緯も本当に自然なので、展開の変化に伴う違和感を感じる事はありません。
こうして桜のカード集めが進んでいく訳ですが…
この作品はカードの回収ばかりの物語ではなく、様々な登場人物の思いが綴られた物語でもあります。
桜やリ・シャオランだけではなく、桜の唯一無二の親友である大道寺 知世の思い…
目に入れても痛くないほど妹を可愛がってやまない兄の桃矢の願い…
若くして亡くなった桜と桃矢の母親である撫子の思い…
ケルベロスが「ゆきうさぎ」と呼んでいるのは何故だろう…と思いつつ、アニメ完走後に「ゆきと」は漢字で「雪兎」と描くことを知ったゆきとの思い…
そうそう、思いと言えば常に自分の気持ちに真っ正直なリ・メイリンの存在は欠かせませんね。
みんながカード集めに…そして桜にどの様な気持ちを抱き、託しているかを感じながら視聴するとよりこの作品の魅力が感じられると思います。
でも、ただカードを集めてそこで物語が終了…という訳では無く、集めたカードの主になるための試練が待ち受けていたんですけどね…
そしてその試練は背水の陣で臨まなければならない、色々な意味でとても厳しい試練でした。
カードを集めるまでの過程と最後の試練で桜は何を思うのか…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
4クール全46話の物語でした。
視聴を続けていると気が付くと思いますが、桜…もそうですけれど、この作品自体がとても大事にされているのが感じられます。
アニメーション制作はNHKですが、自社制作アニメとしては過去最高額にも及ぶ費用投資を伴った作品だったんだそうです。
そういう判断が下ったのも、この作品がみんなに愛されている証拠だと思います。
そんな思いを感じながら引き続き「サクラカード編」を視聴したいと思います。