「Dies irae(ディエス・イレ)(TVアニメ動画)」

総合得点
59.7
感想・評価
234
棚に入れた
1249
ランキング
6160
★★★☆☆ 2.9 (234)
物語
2.6
作画
2.8
声優
3.1
音楽
3.0
キャラ
2.9

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ネタバレ

chariot さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

重度の中二病でなければ観ない方が良い。

エロゲ原作の全12話(0話から始まるので最後は11話)
+7月からWeb配信で6話やります。※11話で一切締める気なしなので注意
ジャンルは……少しの学園物、少しのバトル、異能、あとはだいたいが中二っぽい。
エロゲ要素はアニメにはほとんどないので苦手な方でも全然OKです。

主人公は藤井蓮。高校生。
呪われた運命により大切な日常と市民を守る為に強い敵と戦わなくてはならなくなった。
……ネタバレしないとここまで雑になる。。


えっと。
まずTV放送だけではない事を念頭に置いて視聴してください。
残り6話あります。Web配信なので無料で観られるはずです。(abemaって書いてあったし)
なので打ち切りっぽい意味不明な終わり方に関しては批判するのはタブー。


感想。
濃いキャラと追加追加でどんどん膨れ上がった設定と映える詠唱が売り(だと僕は思う)の作品。
以前のレビューにもゲーム原作のアニメ化の難しさは書きましたがこれも似たようなもの。
膨大なシナリオ、キャラの多さ、細かい設定をたった12話(今回は18話)に収める為には泣く泣くカットせざるを得ないシーンや説明が出てしまう訳で、それが未プレイヤーには「訳わかんねーよ」と言わせてしまう所以で。
ある程度様々なネット上の情報を駆使して視聴しないと雰囲気だけで終わってしまいます。
「駆使」という労力を発動させるにはまず興味を抱かせないとならず、かと言ってシナリオは既にあるのでいきなり映える場面から惹き付ける訳にも行かず、結局は既プレイヤーが楽しむべき作品となってしまいます。
この作品もキャラが出揃い、謎が少し解けてくるまでにかなりの話数を消費し、その過程でどんどん切られる、または興味を持たれなくなってしまう状況にあったと思います。
(それ以前に演出の悪さもあった気もしますが)

僕は未プレイですが0話に登場したとあるキャラに惹かれ、まとめサイトなどで既プレイヤーの親切な補足解説と若干のネタバレに耐えながら11話まで完走しました。
正直に言えばとあるキャラが出たのがTV放送最終話ですので、観続けられたのはまあそれほど嫌いな作風ではなかったのだと思います。


さて。
各話の話でもしてみましょうか。(観終わった方でももしかするとこの先のネタバレになる可能性があるので読む場合は注意してください)

まず0話。
{netabare}これは敵側の起点を示した話。
作品のキモでもある黒幕ラインハルトがカールと出会う。そこから物語が始まるわけですが…
最初にこれやっても意味不明で切られるんじゃないの?って観終わった今でも思うんですが。
シュライバー(眼帯した少年)とヴィルヘルム(ガラの悪いヤツ)、ルサルカ(ロリっ子風)とトリファ(お前誰だよ、な神父)、リザ(シスター)とエレオノーレ(軍人)とベアトリス(…いる?)。
以後登場するキャラではありますが起点である為にその後に続く蓮を主軸とした話に於いては見た目的にキャラが変わっていたりするので非常に難解で正に意味不明な回でしかない。
11話まで観終わればとりあえず誰が誰かはつながるはずだし、後半に解ってくるラインハルトと司狼の相似性もわかるのでどこかで入れたい話ではあるのですが…放送1話目がこれで良かったんだろうか、と。。
まあ僕のようにシュライバーに興味を持ったり軍服カッケー☆みたいな趣向の方を捕まえられるのかもしれませんが…{/netabare}

1話。
{netabare}蓮の物語の始まりです。
特に難しい点はなく、狂気の色はありますが割と普通の内容。
ポイントはギロチン。
これに出会った蓮と香純が後に大きな事件に巻き込まれて行く訳です。{/netabare}

2話。
{netabare}トリファ、リザ、ルサルカ、ヴィルヘルムと遭遇。
色々意味不明な話です。
一応ざっと調べたけど解らなかった事は寝たはずの蓮が公園にいた事。
戦闘をしたはずが気づけばベンチに座っている。壊れたはずの自販機も怪我も治っている。
怪我に関してはルサルカが治した、と既プレイヤー談。
夢ではなく現実でありながら寝ていた蓮が起きて服まで着替えている違和感…操られていたとみるのが正しいのかな。(あとで集団催眠術みたいなの出るし){/netabare}

3話。
{netabare}これ僕の頭では理解し難かった回です。
香純が犯人だった!
これはギロチン見た時に「蓮の力になりたい」という香純の願いにギロチンの精であるマリィが憑いたらしい。
蓮はこの時点で覚醒する為に魂を集めなければならなかった、しかし蓮自身が犯行に及ぶとヴィルヘルム等に目を付けられてしまう為に香純にやらせた。
その辺を理解した蓮(なんで理解出来るのかね?)が香純からマリィを受けとる形で憑依を解き、力を得た……らしいです。
正直ね、スワスチカが何かとか、活動や形成が何かとか、そういった説明を一切していない状況で理解しろという方が無謀。
繰り返しではなく、最後まで観てもう一度見返すと理解できる仕様です。
蓮の目に隈があるのは寝ると事件が起こる為に寝ていない事を表しているようですがそこまで気が回らなかったよ…{/netabare}

4話。
{netabare}蛍による説明とシュピーネさんさよなら回。
やっと説明を挟んできたけど、それでも足りない…
蓮の持つ力はマリィのギロチン。
これは「このギロチンによって首を刎ねられた者は、たとえ不死者であろうとも滅ぶという強力な必殺性を有している。」(wikiより)
この説明がないとシュピーネさんをはじめ他の騎士団員も首取れば勝てると思われてしまう…
とりあえず頑張って説明しても足りない部分は自分で補うのが基本の作品。{/netabare}

5話。
{netabare}マリィ顕現回。
割とライトな作り。
ポイントは蓮の意識のある時はマリィに触れても首飛ばない。
この説明ないと後半でエレオノーレの首切れた意味わかんない。{/netabare}

6話。
{netabare}司狼の既視についての話とラインハルト降臨。
ラインハルトの強大さを見せつけたかったんだろうけど…
何が起きているのかわからない状態に…
原作でもこうではなかったようでなんらかの意図があっての改変…なの?
これでも全然力出してない状態だそうです。はい。
あんまり深く考えずスゲーと思っておけば良さそう。{/netabare}

7話。
{netabare}ラインハルトと対面。
ここで0話が生きてくる訳ですが。
まあおおまかに敵側の目的のようなものが語られます。
諏訪部さんの語り口がいいのか意外と飽きない説明で面白かった。
あとは蓮が普通の人間じゃない事の示唆ぐらいですかね。{/netabare}

8話。
{netabare}司狼対ルサルカ回。
3つ目のスワスチカが開いた訳ですが。
気になったのは司狼のクラブが何故人の集まるスワスチカに選ばれたのか?
確かに人は集まるけど他と規模が違うしクラブでいいなら他にもある。
一応荒くれ者が集まる店らしく魂の質が高いようだ…
ま、この辺はご都合主義の後付けでしかない気もする。
今回の説明不足はルサルカの技。影に触れた相手の動きを止める…らしい。
場面暗いんで解りづらい事この上ない。
ちなみにこの回で初出の「ブリアー(創造)」が原作の重要な演出みたい。
各キャラに詠唱シーン(長い)があってその演出の中二っぽさ全開さが売りのひとつらしい。
ゲーム画面の動画を少し観たけど「なるほど」って感じはあった。
好きな人は好きだよ、これ。{/netabare}

9話。
{netabare}色々問題ありすぎな回。
冒頭の子供たちが死ぬ場面の説明。
リザがいた施設では子供たちに超能力を使わせる実験をしていた。
力に耐え切れず死んでしまった子供たち…の場面。

リザの子の父親って?
ラインハルトなんですけど、この場面では死体なんだそうです。
まずリザの能力が死体を操る事が出来ます。
で、ラインハルトがトリファに身体を譲る(本人は魂となりグラズヘイム=金ピカ城へ)時に一時死体になった…その隙に能力で操り事を成した、という構図。
非常に解りづらい。。
で、化け物の血を受け継いだ双子の片割れは常人の5倍の早さで成長するという…
よくまあそんな設定浮かぶよね、と。。

あとはロートスって蓮そっくりの人の家業がギロチン処刑人である事はいつか意味を持つかもしれない。{/netabare}

10話。
{netabare}城から派遣されてきた女軍人エレオノーレさん対蓮。
リザさんさよなら回。
特に何も難しくはないかな。
蓮の「時よ止まれ」は創造の力みたい。
止まってるんじゃなくて蓮が加速してるらしい。
全体的に言える事だけど、この作品はちゃんと技や能力に色々設定があるのに説明をしない。
だから未プレイヤーにとってなんでそうなるのか解らない状態になる…損してると思うけどな。{/netabare}

11話。
{netabare}多分結構Web放送版で重要になるであろう自滅因子の話。
でも説明でよくわかんない……
とりあえず蓮に対しての司狼とカールに対してのラインハルトが同じ存在であるという事は解った。

玲愛の腹の痛みの理由。
スワスチカが解放されるたびに痛む。(シュピーネ回の時も痛がるカットがあった)
ポイントは彼女がラインハルト城を現世に現す為の「聖櫃」、つまり生贄である事。
…あとで説明あるかもしれない。

お待ちかねのシュライバー。
個人的に好きなタイプなので出るの待ってたら最終回だったんですが…
まあ思った通りの狂人でなによりです。
救いようのない人らしいんで今後の活躍に期待です。
(出来ればあっさり死なずに足掻いてほしいです。{/netabare}


評価。
物語3.5
凝った作りだと思います。
ただし全体的に説明が足りない点と1人のキャラの呼び名が多い事で紛らわしいのが難点。
解らない事だらけの中で考察しながら楽しむには情報が足らず、壮大な世界観を表現しきるには尺とか技術が足りていない印象でした。
本来は複数のルートを通る経験する周回プレイで得る情報を話が見えるように(見えないけど)分断して紛れ込ませ、最終的なルートに向かわせるのは難しいという結論です。
まあ話もまだ終わっていない段階ですし、全部開示された後なら面白いと思えるかもしれません…(どうだろね)

作画3.5
バトルシーンの雑さ。配色や線の雑さ。
減点してもいいんですが力を入れている場面ははっきりわかるぐらいの仕事はしていたと思うので加減なしで。
ただ本来は綺麗な1枚絵のノベルゲームなのでもう少し頑張った方が原作ファンは喜べたのかなと思います。

音楽4.0
各キャラごとにテーマ曲があるようでバトルなどではそれが使用されていました。
全体的に荘厳、またはロック調でいかにもゲーム!という雰囲気は嫌いじゃなかったです。


まとめ。
話を解っている人といない人の温度差はかなりあります。
尺の都合で色々省いた点で損をしているとも思います。
それでも単体で観て「スゲー!!」となるかと言われれば、まあならない方が多いと思います。
なのでおススメはしません。
ただ、インディーズのV系なんか好きな人には耽美で狂った世界観はハマる可能性があります。
原作は全年齢対応作もあるようなので(エロゲ苦手/18歳以下だしって方)購入する事も検討出来るようなら観てみるのもアリかと思います。
基本的には情報なしで理解し得る範囲だと駄作と言ってもいいレベルですのであくまで興味を持てるかもしれない人だけにおススメします。
最低でもまとめサイトなどを使わないと…wikiだけでもわかりません。
あ、エロゲなんで男性向きに思えるかもしれませんが男性キャラも結構いい感じなんで女性にも向く気がしますよ。



ちなみに僕は原作買うつもりはないですが放送は最後まできっちり観るつもりです。いや、観たいです。
好きなキャラ:
{netabare}シュライバー。
あと0話の時のラインハルト。短髪の方がカッコいいよ。{/netabare}

投稿 : 2018/01/05
閲覧 : 287
サンキュー:

8

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