「CLANNAD AFTER STORY-クラナド アフターストーリー(TVアニメ動画)」

総合得点
92.4
感想・評価
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棚に入れた
34005
ランキング
21
ネタバレ

01oinaris さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

本作以上に泣ける作品には未だ出会えない ギャルゲー発・Key・京アニ至高の作品(後編)

Key発の3作目のアニメであり、あにこれ順位5位、総合得点92.2点
まさにモンスター級のアニメであり、恋愛を主軸としたアニメの中で
本作は最高峰の作品だろう。
私は涙腺が固い。これまで映画やドラマで泣いたことはほとんど無い。
そんな私が涙した過去5作のアニメのうちの3作目が本作である。

余談だが私が過去に涙したアニメの内訳{netabare}
めぞん一刻:最終3話
CLANNAD:最終話・秋生の渚への叫びに、同じ親として共感
【本作】 CLANNAD ~AFTER STORY~
あの花:ED曲の入り方が秀逸すぎて…でも最終話は泣かせの展開があざとすぎて逆にシラけた
君が望む永遠:最終話{/netabare}

その中でも、涙腺決壊…という表現が的確なほど涙したのは本作のみだ。

After Story、その名の通り前作CLANNADの最終話からの続話({netabare}朋也と渚が晴れて恋人同士となってからの物語{/netabare})。
CLANNADとCLANNAD AFTER STORYは合わせて1作品なので、
必ず先にCLANNADを視聴してから見るべき。
無印CLANNADから本作8話までは、高校生活を舞台に典型的なギャルゲープロットが続く。
退屈だったり、時にはKey特有のギャグのノリについて行けない…と感じるかもしれない。
しかしその先に待つ展開の秀逸さは圧巻の一言に尽きる。
不良で落ちこぼれと揶揄されてきた主人公・朋也の成長過程、渚との恋愛模様、
そして付随する挫折・友情・家族の絆と再生・親子の愛…
恋愛を主軸としつつも、その周囲に珠玉の如く散りばめられた
ストーリープロットは見事としか言いようが無い。
中高生から青年、親、祖父母…どの視点からでも感動できるストーリー。
視聴者の立ち位置や境遇によって、千差万別の捉え方ができ、
ふとした時に見返すと、その時々の視点でまた違った感動が得られる。

本作を観終わって初めて、CLANNADのCLANNADたる所以がわかる。

なぜ、本作がここまで皆に愛されているのか?
なぜ、ギャルゲー発アニメにも関わらず女性ファンが多いのか?
なぜ、あにこれランキング5位、採点90点超えの怪物アニメなのか?
なぜ、こんなにもお気に入り棚に登録している人が多いのか?
なぜ、「CLANNADは人生」と評されるのか?
この点は解説しようとするとネタバレにしかならないので、是非自分で確かめてください。

なぜ無印CLANNADから見続けなければいけないのか?
もちろん登場人物の紹介やそこに散りばめられた伏線…という観点も大きいが、
個人的な見解としては、無印CLANNAD〜CLANNAD AFTER STORY前半の30話を通じて、
メインヒロイン・渚に対する感情の刷り込みが完了するからだと思う。

〜〜〜この点に関して、以下で少し長めの解説〜〜〜{netabare}
無印22話(+番外編)&AS 1−8話の計30話までは、基本的にサブヒロイン・サブキャラのエピソード。
それらのキャラの魅力が存分に描かれるが、
同時にその端々に、メインヒロイン・渚の健気さ、可愛さ、優しさ、弱さ、力強さ、全ての魅力が詰まっている。
視聴者はサブキャラの魅力を堪能すると同時に、無意識のうちに渚の魅力に引き込まれている。
他のヒロインキャラの魅力も素晴らしい。しかし同時に、渚の魅力には敵わない。
ということを散々視聴者に植え付けておいてからの、渚エピソードのスタート。

主人公・朋也に最もお似合いなのは、渚以外に考えられない。
互いに相補的であり、互いの存在によって自身が成長する、頑張れる。
朋也は身骨全てを渚のために捧げ、渚は朋也のために捧げる。
まさに、理想のカップル像であり、夫婦像である。

無印CLANNADからAFTER STORY 第8話までの計30話を使い、
視聴者の無意識下に刷り込まれた渚という存在の大きさ。
渚を大切にしたいと思う視聴者の心情は、
すなわち主人公・朋也に対する感情移入と同義となる。

これがAFTER STORYの感動を決定付ける最大の要因であり、
Keyアニメ史上最大のヒット作となった所以だろう。
(この点がKey過去作・Kanon、AIRと決定的に違うところである。
AIRはメインヒロイン・観鈴の魅力は感じられるものの、
全12話で断片的なプロットなので主人公に感情移入する前に終わってしまう。
Kanonは全24話ではあるが、各ヒロインの魅力が立ちすぎて
視聴者それぞれに推しヒロインができてしまい、
アニメのエンディングとなるヒロインに違和感が生じてしまう。)

だからこそ、無印から全て見なければならない。
この前半30話かけてじっくりと、渚の存在を十分に大きくすることが、
AFTER STORYの感動の呼水となる。
ゆえに、いいとこ取りの視聴・ダイジェスト版ストーリーは不可能。
{/netabare}

逆に、この前半30話を全て見ても渚に魅力を感じない、好きになれない、感情移入できない…
と感じてしまった人は、ここで切るべきだ。
そういう人はこの先の感動が中途半端になり、本作が期待はずれになる。
渚の魅力を感じれば感じるほど、好きになればなるほど、渚を応援したくなればなるほど、
後半のストーリーで涙が止まらなくなる。

{netabare} OP曲の、光の中で渚が微笑む瞬間…渚の笑顔は変わらないのに、どんどん重くなっていき、次第にこの笑顔で涙腺崩壊しそうになる…そう感じるのは私だけでは無いはず。{/netabare}

以下、視聴済みの人に向けたちょっぴり解説
{netabare}
最後、なぜハッピーエンドで終わったのか、そこが釈然としない人もいると思う。
そこはどうもゲームシナリオをベースにしたプロットみたいです。
私はCLANNADゲーム未プレイなので、既プレイの知人から聞いた話だが、
各ヒロインとのエピソードをクリアしていくと光の玉が増えていき、
(全て揃えたら?あるいは一定数たまったら?なのかは知りませんが)
最終的にハッピーエンド(トゥルーエンド)になる、と聞きました。
ほぼ全てのヒロイン・サブキャラのエピソードを完結させる、
すなわちヒロイン・サブキャラみんなを幸福へと誘った後で、
ようやくたどり着ける真のエンディング。
それがグランドフィナーレ、第22話のようです。
(間違ってたらごめんなさい)

iPhoneでCLANNADがプレイできる日が来ないかな…PS4は持ってないしなぁ。
{/netabare}

月並みな言葉だが、備忘録として本作を見て思ったことを下記に綴っておきたい。
{netabare}
今ここにいる幸せ
愛する家族と共に居られるこの瞬間
自分を作り上げた大切な人達
共に過ごす時間
思い出の全て
これから出会う全てのものを
大切に

何気なくても 味気なくても
失った瞬間 宝物に変わる
二度と手に入らない

誰もが 誰かの宝物
誰かに生かされているように
誰かを生かしている

まるで秋生のように豪快でヘビースモーカーで子どもみたいだった、
そして酒好きで直幸(朋也父)のように酒に溺れていた父を思い出し、また涙腺崩壊。
孫に囲まれて、眼を細めながら照れ隠しに悪態をついていた年寄りだんご
言葉には決して出さなかったけれど、幸せな人生だったのだろうか…
自分は父の自慢の息子たり得たのか…今はもう確かめる術はない。でも…
ありがとう……親父。
{/netabare}

散々感涙した後で、やっぱり思う。
CLANNADは人生の縮図だ、と。

投稿 : 2018/10/30
閲覧 : 359
サンキュー:

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