「宇宙よりも遠い場所(TVアニメ動画)」

総合得点
93.8
感想・評価
2803
棚に入れた
9760
ランキング
12
★★★★★ 4.2 (2803)
物語
4.3
作画
4.1
声優
4.2
音楽
4.1
キャラ
4.2

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ネタバレ

HmFDB75691 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

5つの疑問点についての考察

この時期は暖かいアニメを見たかったけど、温かいアニメになるなら。


第1話 リアリティがあれば面白くなりそう
{netabare}
南極を舞台に選んだのは目新しくていい。内容に目新しさがあるといいんだけど。水着回、温泉回が普通にありそう。
作画は文句のつけようがない、さいきんのアニメらしい技術の高さ。シリアスでもコメディでもいけそうなキャラデザ。声優さんが豪華なのでギャラ高そう……。

南極に行く方法にリアリティがあれば面白いかも。それが序盤の評価の分かれ目になる。樽の中に入っての密航はないだろう。あと、百万円を持ち歩くのは不用心すぎる。

ちなみに、ネットで調べると百万あれば南極には行けそう。南極点はもっとかかるみたい。このシナリオを考えた人もネットで調べたんだろうね。
{/netabare}

第2話 アニメ的な情熱を見せて、南極に行くのかな
{netabare}
スポンサーがキーになりそう。玉木マリ(cv:水瀬いのり)たちがスポンサーと掛け合って、南極行きを勝ち取る気がしてきた。プレゼンというか、アニメ的な情熱を見せて説得するんじゃないかな。

女子高生が南極に行くのも話題になるから、スポンサーが付きやすいだろう。無人島で生活する番組があるし、南極ならその手の番組に使われるという展開もありそう。さすがに置き去りはないだろうが、孤立無援の状態にはなりそう。
{/netabare}

第3話 意外(?)な展開
{netabare}
アイドルが南極に連れて行くとは思わなかった。意外な展開ではあるが。
第2話の流れからスポンサーを説得すると思った。リアリティを求めすぎると、アニメとしての面白さがなくなるんだろうな。
{/netabare}

第4話~第11話 いい話だけど……
{netabare}
いい話だけど、つづきが気にならない。
理由は二つある。

・極地なのに極限状態にならない
ピクニックのようなのんびりした雰囲気。いまの南極がそうなのかもしれないが。
貴子の行方不明エピソードを序盤に入れるべきだった。そうすれば、南極の極限状態が視聴者に伝わるし、のんびりした女子高生とのギャップも生まれて面白くなったと思う。

・いい人ばかり
貴子を置き去りにした吟が悪い人を担っていたけど、いまは普通にいい人になってる。
めぐみや陸上部の女子は悪い人というより、メインキャラの良さを際立たせるため。

今後、欲しい展開
報瀬(他三名)が貴子と同じ状況に陥る。これで少しは極地らしくなる。
貴子が行方不明になったのは何者かによる罠(なさそう……)。
ちなみに、貴子はどこかの国の人に助けられたと思う。このアニメいい話なので。
{/netabare}

第12話 泣きアニメだったか……
{netabare}
冒険ものと思っていたけど、『中二病でも恋がしたい!』と同じ展開だった。六花が現実を受け止めて大泣きしたように、こちらも報瀬が大泣きするまでの物語なんだろう。

メールの伏線は秀逸。名作になりうる伏線だと思う。ただ、個人的に評価は高くない。冒険ものと思っていたら泣きアニメになったから。あらかじめ泣きアニメとわかっていたら高評価になっただろう。
{/netabare}

第12話につての考察
{netabare}
メール受信で泣けたという感想が多い。冷静に(?)見ていたせいか、このシーン以外でも興味深いところがいくつかある。

第12話を見たあとだと、南極に行きたがっていた報瀬は、メンタル面が少し壊れていたと言える。
絶賛アニメなので、中傷と言われそうだが、メールを毎日送っていた点からも明らか。

例えば、三年間南極で行方不明とニュースがあったとする。「奇跡的に生きている。南極に行くまではわからない」と言う人がいたら、漫画やアニメの見すぎだと突っ込む。娘を考慮しても、報瀬の行動が常軌を逸しているのがわかる。

だけど、これは物語なので奇跡的なことも起きる。第1話の時点では、報瀬が強い決心で、貴子を助けに行く物語ともとれるのだ。
報瀬のメンタル面や貴子の状況をはっきりと描かなかったのが、この作品の欠点だと思う。
{/netabare}

絶賛についての感想
{netabare}
絶賛の感想を気にせず、いつものように疑問点を書いている。

報瀬のような友人がいて、南極に行くと言ったら、普通は止めると思う。南極でなく雪山でもいい。心の整理ができているなら行かせるが、おかしな方向に突っ走っているなら止めるのが友人として正しいと思う。
貴子の娘でありながら、吟が頑なに南極に連れて行かなかったのも、報瀬が現実を受け止めていないからではないか。キマリは友人として正しい行動をしていると言えるのか。高校生だからその点は成長段階とするなら、最終話でキマリの成長を見てみたい。

別サイトでこれを書いたら反論された。反論は歓迎なのだが、「いいアニメだから細かいことは気にするな」といった感じ。絶賛するのはいいのだが、自分なりの解釈をもって理解を深めるべきだと思う。
{/netabare}

最終話&総評 ラストのオチはよかった
{netabare}
ラストでキマリとめぐみの間でなにかあると思った。リアリティはないけど面白いオチだった。

総評としては、南極に着くのが遅かった。というか、南極でハプニングが起きるアニメではなかった。その点が期待したものと違って残念。これはこれでいいのだが、『中二病でも恋がしたい!』と似たような展開なので、それほど評価は高くない。

メールの伏線は秀逸なので、アニメを見ない人も興味を持つと、名作になるかも。
{/netabare}

5つの疑問点についての考察
{netabare}
1.最初と最後で報瀬が南極に行きたかった理由が違うのは、なぜか?

出発するときと、南極を去るときの言動が明らかに違っている。現実を受け入れたか、入れなかったの違いと考えられる。

出発するときの報瀬はポジティブに見えるが、そうではなく、『現実を受け入れない=貴子が待っていると信じている』という思考で動いている。

報瀬は頭の片隅ではわかっていても、現実とは正反対の言動をとらざるをえなかった。『中二病でも恋がしたい!』の六花が中二病になったのと同じである。


2.待っている場所(天文台)に行くのを躊躇したのは、なぜか?

待っていると信じているなら躊躇しないはず。急かせるくらいだろう。
この時点ですでに現実を受け入れているとわかる。受け入れたから躊躇したと考えるのが自然。メール受信のときと考える人が多いが、個人的には違うと思っている。


3.南極に着いたときのことを覚えていないのは、なぜか?

南極である。強く印象に残るはず。なのに覚えていない。
2で考察したように、メール受信でないと考えれば、説明がつく。
報瀬は別の人間と言ってもいいくらい変わった。だから、まえの報瀬が記憶したことを覚えていないのだ。変わった原因は、現実を受け入れたから。このシーンでそれを説明している。

では、報瀬が変わったのがメール受信でないなら、どこになるのか。


4.陸上部の三人に対して、なぜ、報瀬は啖呵を切ったのか?

陸上部の三人の行動を簡単に説明すると”正反対の行動をとる”、”メールでなかったことにする”である。これらは報瀬にも当てはまる。
つまり、現実を受け入れない報瀬に対しても、啖呵を切った。それと同時に、そのモヤモヤとした報瀬との決別も意味している、と解釈した。


5.南極に百万円を置いてきた理由は?

百万円は現実を受け入れない報瀬の象徴でもあるため、一緒に持って帰るわけにはいかない。


報瀬の変化をメール受信でなく、もっとまえと考えると、(ほとんどの人がスルーしているだろう)疑問点に説明がつく。
報瀬が常軌を逸した行動をとったのは、悲しいときに泣かなかったことと、一緒に泣いてくれる人がそばにいなかったことが原因と考える
笑ったり泣いたりできる友達ができ、ようやく泣くことができた、そういうアニメだと思った。
{/netabare}

投稿 : 2018/03/31
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サンキュー:

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