お茶 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
異文化コミュニケーションが基盤にある上のコミュニケーション<改>
19世紀末、フランス・パリの鉄工芸品店に奉公に来た日本人少女・湯音と
その店主クロードやパリの人々との交流を主に描いた物語。
本作は日仏の異文化コミュニケーションを通じて、
個人個人のコミュニケーションをはかる物語になっている。
作画のクオリティは抜群に高い。着物や工芸品の価値をだすために、作画の綺麗さとかよりも作風に合った作画を何よりも重要視している私にとっては、考えらているなあと感じました。そもそもの話で当たり前のことですが、そこを見落とすことはあるあるで 例えば電車内でたくさん貼られた広告に違和感を感じないのは、ある意味 人が受け入れやすい考えられたデザインをしているともとれる。
また、同様にほのぼのとした日常風景や作風作りも、丁寧に考えられたうえ設計されているように思えた。世界名作劇場のような雰囲気が底にあって、放送当時のアニメの雰囲気も取り入れたような塩梅になっている。そのような、世界観に浮かない程度に着物や工芸品を魅せていくことはとても繊細な仕事っぷりが要求されると思う。
ストーリーとしては盛り上がりに欠ける一方で、異文化交流という珍しい設定に着目したい。
はじめこそ、それぞれの国の文化を知っていく中でおこる人々のリアクションであったり、その文化を受け入れる葛藤であったりと、情報でよく知られた日仏の文化交流が展開されていく。
文化交流といっても、着物、黒髪、律儀、やまとなでしこ、みたいなフレーズというか記号に近い表面的なイメージを前戯のようなていでかかれていて、物語が進むにつれ、その文化のうえにあるキャラクターの個性をみせてくる手法は、親近感をわかせるプロセスとして中々ないものに感じる。意図的にそうしたのかは分からないけども
異文化コミュニケーションをへて、個性が分かってきてからの湯音とクロードの関係がこそばゆく萌える。
幼く、超絶律儀でありつつも、幼いがゆえの無邪気さも兼ね備えた湯音
若気の至りの渦中にあるようなクロード青年。職人としてもまだまだ半人前だが工芸にかける情熱は人一倍。
二人だけではなく、町全体の雰囲気や他のキャラクターとの交流も見応えがある作品。
PV載せておきます https://www.youtube.com/watch?v=G8aKge1ahEM