ちくわ丸 さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:----
「良いところ」を見つけられない
雑誌発のメディアミックス企画「ラブライブ!」のテレビシリーズ2作目。
本作をレビューするにおいて、アニメ版のみの話だけでは本質を語ることは出来ないでしょう。
そもそも前作時点で、『「廃校寸前の高校を守るため、部活でアイドル活動をする」少女達の日常や心情を月刊連載でゆっくり丁寧に追いながら、投票企画やらPVなど現実とリンクする部分を読者参加で応援するライブ感を楽しむ』企画を無理矢理22分×13話に詰め込む無茶な作品。
実際脚本は大味、キャラクターや設定の無茶な改変や矛盾も多く「予想通り」の出来でしたが、それでも作画・PV・楽曲の完成度の高さなど非常に高水準で、評価点と難点を分けて考えられるキチンとした作品でした。
対して、今作は全てが前作以下です。
例えば
・前作でも物議を醸し出したキャラ関係の尖った要素の悪化(公式サイトのキャラ紹介があてにならないほどの大幅な改変、一部キャラの待遇、ファン同士を煽るような演出など)
・舞台となった地域を単なる「金の成るロケ地」以上に活かせていない、前作以上に行き当たりばったりで結局同じことを繰り返している、つまらないギャグシーン以外にキャラクターの描き分けを上手く行えない歪な構成
・絵面は綺麗だが同じようなアングルが多く「ライブで演者にやらせたい演出」を取って付けたようにねじ込むPV
・無難だが印象に残らない楽曲の数々(一部作曲家を多用しすぎる現プロジェクト全体の問題かも)
・キャラクターデザイン・ピンナップ等のクオリティの低下(頭部が大きく・強いタレ目気味の表情の過多)
等々、難点を挙げれば無数に挙がります。
何回か観られるエピソードはありましたが、上記の難点が嫌でも目について完全には楽しめませんでした。
唯一の評価点は、作画/CG製作スタッフ、楽曲スタッフの苦労、新人キャスト達の頑張りなど、「主犯」以外の様々なスタッフの『仕事の証』でしょう。
新規劇場版製作、だそうですがおそらく全てにおいて期待は出来ないでしょう。また、現体制では次回作以降の映像展開にも期待は出来ないと思います。
根本的な原因は脚本家にも監督にもなく、「アイドルマスター」や「プリキュア」などの様に今後シリーズ化していくための土台が作りたいが為、売ることを急ぎすぎた制作・運営側の問題でしょう。
これはシリーズの2代目、3代目にはよくあることです。
ですので、本企画を追い続ける気のある方は、今作を「未来への投資」として、本企画が大きくなり盤石なものとなった時、素晴らしい映像展開の作品が生まれることを期待して待ち続けることが懸命でしょう。
…私は、適度に投資し適度に付き合っていくとします笑